総統室 ページ27
鼻歌を唄いながら軽やかにステップを踏み鳴らして廊下を抜ける。
本当に此処は良いところだ。
幹部は面白いし、書記長さんは初々しくて総統も個性豊かだ。
r国なんか味気無くてやってられない。
面白い物と場所を常に望む私には最高の環境だ。
総統室の扉の前に辿り着き、上機嫌のままドアノブに手を掛ける。
ふと、違和感を覚えた。
呼吸数が多い。室内の息遣いが二つ。
…………中に二人、か。
オスマンかトントン?他の誰か?
_______________いや。
それならば何か音が聞こえても、
ゴソゴソと衣擦れ音。
カチャリと言った嫌な金属音。
一つの呼吸の持ち主がゆったりと笑う気配がした。
「撃ってみろ」
この低く響くバリトンボイスは、
「グルッペンッッ!!!!!!!」
聞こえたその声にカッ、と、体が熱くなる。
過去の音声が重なって聞こえた。
『撃ってみろよ?』
_____馬鹿か。
ほぼ無意識のうちに扉を蹴り開き、風を切って足を旋回。
グルッペンに銃を突きつけた男の手を蹴り上げ銃を離させ、手首を取って素早く床に組伏せた。
そしてその見覚えのある顔に目を見開く。
「お前…」
男は私を確認すると、組伏せられたまま嬉しそうな声をあげた。
「A様!!ご無事で御座いましたか!!
私で御座います!」
r国の。
「暗殺部隊隊長じゃないか!?」
「総統様からA様の応援を命じられました。
場内に侵入したは良いものの、A様が見当たらなく、地下牢かと思いましたので
任務遂行後に助けに参ろうかと思いました。」
ぺらぺらと喋る隊長殿。
成る程…私の応援に、ね。
「ああ…そうだ、連絡用のインカムは持っているか?
先程壊れて使い物にならなくなった。」
ガラスぶちまけて入ってきた時に当たり所が悪くてヒビが入ったんだよ(遠い目)
ふと、グルッペンの息を呑む音と、掠れた声が聞こえた。
「ッ…!……A…………………」
…
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竹の粉 - 私は作者さんのお好きにしていただければいいと思います。続編と新作、どちらでも構いません!!お待ちしております!! (2020年8月17日 23時) (レス) id: 9266b0967c (このIDを非表示/違反報告)
ココ - う、打ち切りですか。作者さんが無理だと思うなら仕方ないですが追いかけて追いかけて続きを待ってたので出来れば続けてほしいです。 (2020年8月15日 6時) (レス) id: ec11dc607a (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 「ぐう有能」この作品が通知欄に載るたび、私はいつもワクワクしていました。打ち切りなら仕方ありません。作者さんの次回作に期待に期待を重ねてお待ちしております。 (2020年8月14日 16時) (レス) id: e42f9d0a03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうふ@ヤバいやつ(プロフ) - 正直、この続編も見たいんだけど打ち切りなら仕方ないかな…でも!!次の新作すっっっごく楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2020年8月14日 0時) (レス) id: 501e08bd16 (このIDを非表示/違反報告)
鷺宮雪沙(プロフ) - 新作を出されるようなら、是非とも拝見したいです!!!元々の主さんの文章力もとても高いのに、それがさらに進化とは…!1ファンとして、早計ながらとても楽しみに思っています!! (2020年8月13日 22時) (レス) id: 50f55da2bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨菜 | 作成日時:2018年12月17日 19時