【影山飛雄】＊普通系男子はきっと無自覚恋愛中。＊【男主】 (ページ8)

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▼敗北ページ8

「あー…入学式のとき、ちょっとね」

「影山とは？」

「中学一緒なんだ」

そんなことを話していると神妙な顔をした大地が体育館に帰ってきた。

「大地、おつかれ。」

手を振ると大地が俺に掴みかかってくる。
あらやだ暴力反対。

「大地どーしたの？顔こわいよ？」

「A…お前はどうして余計な一言を言うんだ…！？」

ああ、教頭に言った言葉のことか。

「言ってみたかったんだよ、いいでしょ？その様子じゃ何もなかったみたいだし」

ニコニコして言うと図星だったようで手を離す。

ふっ、論破してしまった…。敗北を知りたい。

「幸いにも特にお咎めなし。謝罪もいらない。が、何も見なかったことにしろ。」

え、マジかよ俺友達にあのヅラのこと面白おかしくあることないこと言いふらそうとしてたのに。

俺の考えを見抜いたのか大地が俺の方を見て微笑む。その笑顔は脅迫だろ…。

気まずくなって目を逸らすとそこには俺と同じく気まずそうな顔をした日向と影山がいた。

それにしても学校指定のジャージのダサさは異常。

「お前がしっかり取らないからだ。ヘタクソ！何が去年とは違う、だ。ふざけんな！期待して損した。クソが。」

影山の言葉に日向が言い返すと言い合いが始まる。疲れそうだなー…
あ、大地の顔怖くなっていってる。二人とも馬鹿だな。

「仲間割れしたあげく、チームに迷惑をかけるような奴は、いらない！
互いがチームメイトだって自覚するまで、部活には一切参加させない！」

体育館の外に、二人の悲鳴が響き渡った。