▼オーバーワーク*過去編 ページ39
【影山side】
中一の夏、及川さんにサーブを教えてもらおうとしたらいつものごとく断られてしまった。
だけど自分なりにジャンプサーブを習得しようと思い、
及川さんと一緒に(一緒って言うほど話してないけど)居残り練習に参加した。
練習を始めて少し経ったとき、マネージャーのAさんが及川さんに声をかけた。
「及川、オーバーワークだって一に言われたばっかだろうが。」
「うーん、もうちょっと…。」
俺が殴られそうになったときのことを言っているのかと思うと気になってサーブの手を止める。
Aさんは呆れたようにため息をつくとあと三本だけな、と言った。
そう言ったにも関わらず、及川さんが三本終わっても続けようとするのでAさんは及川さんの頭を小突き、ボールを奪った。
「お・わ・り・だ。」
「あと一本だけ!!」
「だめだ。」
Aさんが俺を見つけるとあ、と小さく声を上げて話しかける。
「一年かな?悪いんだけど練習は終わりだ。片付け、手伝ってくれるか?」
「あ、はい!」
一緒に片付けを始めると及川さんも諦めたのか渋々といった表情でボールを拾い始める。
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作者名:ことり | 作成日時:2015年3月7日 15時