▼復活 ページ34
レシーブが乱れて、旭にラストが託される。
久々に見る旭のスパイク。
でもそれは影山、月島、龍の三枚ブロックに阻まれてしまう。
その一瞬。
目にも止まらぬ早さで落ちゆくボール、そのボールは夕の小さな手によって空中へとまた飛び立つ。
『ブロックフォローだな!ブロックされたボールを拾いまくる特訓!』
試合前に龍と話していた夕の言葉がフラッシュバックする。
「ノヤっさぁん!!!!」「夕!!!!!!!!」
龍と同時に叫んでしまう。俺は泣いてはいないけど。
「壁に跳ね返されたボールも、俺が全部拾ってみせるから…!だから…!!」
一呼吸おいて、旭の心に届くように。
「だからもう一回、トスを呼んでくれ!!エース!!!」
_なんだ、夕のくせに随分かっこいいことを言ってくれるな。
スガがオーバーハンドの姿勢をとった。
だが、旭は飛ぶことを躊躇っているようにも見えた。
旭が翼をもがれた鳥なら、俺たちが新しい翼を。飛ぶための希望を。
「菅原さん!!!」「スガぁ!!!」
「「もう一本!!決まるまで!!!!!」」
影山と声が重なる。一言一句同じって…。
旭は助走距離を十分にとって決心した様子で走り出す。
ネットから離した、高めのトス。
久しぶりの旭の全力スパイク。ボールは一直線に大地たちのコートへ落ちていく。
「ばーか。」
「おせーよ、エース。」
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作者名:ことり | 作成日時:2015年3月7日 15時