▼群れ ページ16
金田一がわくわくとしたような顔をする。相変わらず犬みたいなやつだな…。
俺のこと好きすぎだろ。
「へえー」
「先ほどはうちの後輩がご迷惑をおかけしました。烏野高校三年、男バレでマネージャーをしてま
す。AAです。」
俺が背景に花が溢れ出る勢いの営業スマイル全開で自己紹介をすると、相手の選手はたじろいだ。
「あ、よ、よろしくお願いします…」
「じゃあ」と一礼してから烏野のかたまりへ帰っていく。
試合が始まって2セット目のはじめ、ドリンクが少なかったことに気付いて買い出しに出かけることに。
昨日確認しとくべきだったなー。失敗失敗。
近くに見えたスーパーで適当にいろいろ買って会計を済ませる。ちなみに前回の買い物のお金は部費で落ちた。最初渋ってた武ちゃんも涙目になったらあせってOKしてくれた。
武ちゃんチョロすぎてビックリした。この人将来詐欺とか引っかかりそうだな…。
スーパーを出て青城に着く。何度見ても広い。
_で、俺はどうしてこんな状況下に置かれているんだろう。
「えー、じゃあAさんは練習試合でここにー?」
「ま、まあね。んで俺そろそろ…」
「Aさんがバレーするとこみてみたーい!」
「俺、マネージャーだし…」
「スパイク決めてー!」
聞けよ。
さっきから女の子の群れに捕まって出られない。
それどころか人がだんだん多くなっていってる気がする。
女の子は好きだけど今は時間がない。
だれか、助けて…。
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作者名:ことり | 作成日時:2015年3月7日 15時