チシヤ ページ18
Chishiya
初めてのゲームと言い、マンションのゲームといい彼女は頭がいい。
最初は警戒心しか無かった彼女だがいつしか素直になっていく。
ゲームで誰が死のうが俺には関係ない。
今まで仲間だったヤツも生き残るためなら躊躇なく捨ててきたのに。
でも彼女だけは違った。
生きて欲しいと心から願った。
そんなことは初めてで気づいたらビーチまで連れてきていた。
「あんた、Aと仲ええんやろ」
「ちょっとね。前のゲームで一緒だった」
「どう？Aちゃんは」
「よぉ分からん。」
「あの子は使えるよ。俺たちの計画に。あとアリスくんも」
「計画に入れるん？」
「さぁ。」
「なんやねん。ほんま」
彼女とここを出たい。ただ単純にそう思った。
彼女とアリスくんに計画のことを話すと最初は躊躇っていたが、協力してくれるとのこと。
作戦会議を重ね、静かに時を待つ。
「クイナ」
「どしたん？」
「アリスくんを囮として使う」
「それって…」
計画は命懸けでもある。だから全てを賭けなければいけない
アリスくんには偽物の金庫を開け、警報を鳴らしてもらう。
それをアグニに伝えたら、トランプが隠されてる部屋に入ることが出来るだろう。
アリスくんには悪いけどどこにあるか探さなければ行けない。
アグニが封筒の中の紙を見た時、一瞬だけ目が揺らいだ。
恐らく、場所でも数字でもない。ひとつの絵だろう。それに相応しいものが見つかるかもしれない。
目は口ほどに物を言う。
この囮の事は、クイナだけに伝えた。
これ以上伝える意味なんて無い。
カルト派と武闘派がいつぶつかり合うか分からない。
その時を見極めるんだ…
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作者名：らび | 作成日時：2023年8月2日 1時
