運命の糸 (ページ13)

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クライマーページ13

「呼んだ？」

そう言い入ってきたショートカットの女の子

壁を伝ってくるなんて、体力の化け物すぎる
時間も残り少ない。早くしないと、そう思っていると鬼が起き上がる。

『ほんっとにしぶといんだから！』

少しキレ気味に言うと鬼も抵抗するかのように銃を打ち付ける。

「おい！」

そう呼ばれてチシヤさんに目を移すとスタンガンを投げてきた。

『ナイスキャッチ』

「自分で言うかな」

鬼にスタンガンを食らわせる
後ろを見るとアリスくんと女の子が息ぴったりな動きで壁のボタンを押す。

❴こんぐらちゅれいしょん ❵

ゲームクリアと光るスマホに目を落とす。
その瞬間鬼の人が仮面を取った。
なにかに脅えているような表情をした彼女。
スタンガン食らわせたり蹴ったりしてごめんなさい、生きるためなんです。そう思っていると目の前が血に染った。

『う…』

流石に気持ちが悪い。
この人もゲームに参加させられていたんだ…
気の毒だなと思った。この人たちはなんなんだろう。いつか知る時が来るのかな―

気づいたらみんなは居なくなっていて、何だか私が鬼だった人を殺してしまったみたいでその場から動く気なんてしなかった。
マンションの406号室

血の匂いが鼻につく

足音がして振り返るとそこには風にゆらゆらと揺らす銀髪の彼が。

「行かないの？」

『行くところがないんですよ』

「だからってここに居ても何も変わらないでしょ」

ふっ、と笑う彼が何だか優しくて安心してしまった。チシヤさんは不思議だな。これが恋なんだろう。恋なんていつぶりだろうと感情に親しんでいると彼が遺体を探り始めた。

『何してるんですか？』

そう声をかけると1枚の紙を目の前に突き付けられる。

「なにか見つかるかもしれないだろ？」

『天才』

ケラケラ笑っている私を驚いた顔で見るチシヤさん

「笑ってる方がいいよ」

正直に言われるから照れる。
顔が赤くなる私を見てまた驚いた顔をするチシヤさん。

「行こうか」

『え？何処に？』

「付いてこないの？」

『連れてってください』