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▼STORY.28 ページ29

あれから数日経った今でも頭から離れない。
きっと、忘れることも無い。


いつも冷静で、あまり感情を出さない彼の感情に色付いた瞬間を。


声音が変わった。瞳が揺らいだ。


何より、彼の表情が私の胸を締め付けた。


私があの時の女の子だと確信をしたであろう彼の、
大切なものを見る瞳が痛かった。


その瞳は、私が両親に向けて欲しかったものそのものだから。


彼の瞳は私に何かを訴えていたけど、私はその真意に気が付けなかった。


はぁーっ、と机に突っ伏して短く一息つくと「どうした?」そう優しい声が耳に届く。


『らんらん・・・』


ht「ん?」


顔を上げると優しく微笑む彼が視界に入る。


『らんらんの顔見ると安心する・・・』


ht「ははっ、それは嬉しいな」


os「ちょっと、俺も居るんやけど?」


らんらんの後ろからひょこっと顔を出したマンちゃんは拗ねたように頬を膨らませていた。


『マンちゃんはね、私の癒し』


os「Aも俺の癒しやで」


そう言って私の頬にスリスリしてくるマンちゃんは猫みたいで、さっきまで悩んでいた事が少しだけ軽くなる。


その後2人と他愛もない話をしてから、外の空気を吸いたくて外に出た。


外に出て城壁を沿うように歩いていると、屈んでいても分かるほど姿勢が良い後ろ姿に声を掛ける。


『エミさん』


em「Aさん、珍しいですね」


振り返った彼の、きっちり整えられた色素の薄い髪が風に乗って揺れた。


『エミさんここに居るかなって思って』


em「私に何か用でしたか?」


『ううん。用とかじゃないんだけど』


"ただエミさんと話したかった"そう伝えれば、


em「私の前にオスマンさんとひとらんさんと話して来たでしょう」


なんてお見通し。


私は不安な時、悩みがある時マンちゃん、らんらん、エミさんと話したくなる。


だからと言って、私が悩みや不安を話す訳でもないのに何も聞かずに世間話をしてくれるのだ。


『エミさん、私自分のことも分かってないけど、皆のこと分かりたい。・・・今更かな』


em「相手の事を理解したいって思う気持ちに、遅いも早いもないですよ」


そう微笑んでくれるエミさんに安心して微笑み返すと、曇り空だった空に薄らと太陽の光が差し始めた。


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最後の文で夢主さんが前向きになった事が伝われば良いなと思いながら書きました(分かりにくい)

沢山のお気に入りと評価有難うございます( ;∀;)♡!

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作品ジャンル:恋愛
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは!コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました!気が付かなかったので教えて頂けて助かりました( ;∀;)ありがとうございます! (2018年11月11日 19時) (レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。1つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか? (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます( ;∀;)探してみますね!笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:呉城莉李。 | 作成日時:2018年4月1日 11時

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