▼STORY23 ページ24
平穏な日々が続き月日は流れ、外の景色はすっかり色を失くし、私の嫌いな寒い季節を迎えた。
「冬」になると決まって私はあの日の事を嫌でも思い返してしまう。
特に辺り一面を覆い隠すような真っ白な雪が降る日は、カーテンも開けることが出来ず1日中部屋で過ごした事もあった。
コンコン
遠慮がちに扉をノックする音が聞こえ返事をすれば
rb「A、今ええ？」
扉を開き顔を覗かせるロボロくん。
『どうしたの？』
rb「新しいインカム出来たから持って来たで」
そう言ってニコッと可愛らしく微笑んだロボロくんの手のひらには薄いピンクのインカムが置かれている。
『可愛い！皆色違うの？』
rb「せやで！それで、インカム身に付けてれば誰が何処におるかも分かるようになっとるんよ。まぁ管理室のモニターでしか確認出来へんけど」
『それはこの屋敷には必要な機能だね』
屋敷の中にいる時は、インカムを耳に付けてはいるものの切っている人が多い為、急用がある時はこの無駄に広い屋敷を探し回る事もある。
私は早速古いインカムを外して新しいものを付ける。
この屋敷に来てからずっと使っていたインカム。
それを名残惜しく思いながら机の引き出しにしまう。
引き出しを閉めながら窓に目をやると、私は途端に動悸に襲われてその場に座り込む。
『…うっ、はぁっ…』
目眩と吐き気に襲われ視界が揺らぐ。
rb「A！」
私に駆け寄ったロボロくんは、窓の外を見つめ気が付いた様子。
雪が降ってきた事に。
毎年そう。雪が降ると動悸がして気持ちが悪くなる。
皆それを知っていたから、雪が降りそうな日は屋敷全体にカーテンが掛けられていた。
でも今日は天気が良かったから、私も油断して自室のカーテンを開けたままにしていたのだ。
ロボロくんは私をベッドに運ぶとカーテンを静かに締める。
rb「大丈夫や、ここに居る皆Aの事が大好きやで」
泣きそうな私に気が付いたのか、横になっている私の手を優しく包み込み微笑んでくれる。
『私ね、昔は雪が好きだったんだよ…。お父さんが雪だるま作ってくれて、お母さんと2人で雪兎作ったりして…』
なのに、どうして私を捨てたの…？
そこまで言い終わらないうちにロボロくんに抱きしめられた。
rb「何も言わんでええよ…俺等はずっと一緒に居るから」
優しい声と温もり。
外の寒い空気に負けじと凍てついていた私の心を、ゆっくり溶かしていくような。
そんな彼の体温に私はゆっくり眠りに落ちた。
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは！コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました！気が付かなかったので教えて頂けて助かりました（ ；∀；）ありがとうございます！ (2018年11月11日 19時) (
レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。１つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか？ (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます（ ；∀；）探してみますね！笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：呉城莉李。 | 作成日時：2018年4月1日 11時
