▽STORY.22.5 ページ23
"表情の変化がなくて、何考えてるのかわからない"
周りの人が俺に抱く印象として昔から多く挙げられていた。
決して笑わないわけではない。
当たり前のように悲しくもなり、怒りだって覚える事もある。
ただ、普通の人よりも喜怒哀楽などの感情の起伏が緩やかで割と気持ちが安定している。
少しの事じゃ別に動揺もしない。
そんな自分を当たり前だと思っていたのに、異常なのではないかと思い始めたのは此処に来る少し前の事。
城下町では名の知れた薬剤師の父と、その助手として働いていた母。
調合した薬を届けに隣国へ向かった2人は、その国の小さな街同士の争いに巻き込まれ、そのまま帰って来る事は無かった。
その知らせを聞いた時、自分の中に芽生えたのは悲しさ、虚しさ、隣国への怒り.....そのどれでも無く
shp「こんな呆気ないんやな」
そんな、自分の両親を失くした人間から出る気持ちだとは思えないような冷めたものだった。
両親と仲が悪かったわけではない。
むしろ家族仲は比較的良好だった。
それなのに...。
急に自分自身が怖くなり、心を閉ざして過ごす日々をひと月程迎えた頃。
響き渡る大声とこれまた騒がしい金髪の男が俺の元に訪れた。
kn「ショッピ事情は聞いたで。1人でこんな広い家、つまらんやろ！一緒に行くで！」
そう言ってあの日強引に引っ張り出してくれていなかったら、俺は今でも何も感情がない機械のような人生を送っていただろう。
gr「大人数で騒がしいが、好きなように過ごせ」
低く落ち着いた声で微笑むグルッペンさん。
気さくに笑いかけてくれるトントンさん。
人懐っこく笑うシャオさん。
初対面の俺にも友達みたいに接してくれるゾムさん。
面倒見が良さそうな大先生と、強引だけど頼れるコネシマさん。
心配そうに俺を気遣ってくれるエミさん。
しっかり目を見て話してくれるロボロさん。
後ろで優しく微笑み、迎え入れてくれたオスマンさん、ひとらんさん、しんぺいさん。
それから、
『同い年だから私が1番何でも聞きやすいと思うから頼ってね！』
眩しいぐらいの笑顔で話しかけてくれるAさん。
此処に来て、皆から沢山の感情を貰って今までの自分が嘘のように沢山笑う日々を過ごしている。
忘れていた感情を取り戻す事が出来たのは、紛れもなく此処に居る皆のおかげ。
そして、自分が今まで抱いたことがない感情も。
此処で知った。
その痛みを知るのは、まだ先の話。
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは！コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました！気が付かなかったので教えて頂けて助かりました（ ；∀；）ありがとうございます！ (2018年11月11日 19時) (
レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。１つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか？ (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます（ ；∀；）探してみますね！笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：呉城莉李。 | 作成日時：2018年4月1日 11時
