▼STORY.21 ページ21
syp「雨降ってきましたね」
ショッピ君の声に空を見上げると、パラパラと小雨が降り始めている。
朝から若干雲行きが怪しいなとは思ったけど、陽が顔を覗かせていた事もありショッピくんと2人で傘を置いたまま街に出て来てしまった。
『傘持ってくれば良かったね』
syp「すぐ止むと思いますけど...とりあえずこれ被って、あそこまで走れます？」
『うん』
ショッピ君は身につけていた上着を脱ぎ私の頭に被せると、私の手を握り屋根のある場所まで走る。
『ショッピ君上着ありがとう』
頭に乗せられた上着を取りショッピ君に手渡すと、
syp「風邪ひかせたくないんで、そのまま着てて下さい」
そう言うと、小雨で少し水滴が付いた上着から水気を払い私に着させてくれた。
いくら彼が細身だからとはいえ、男女の体格差や身長差もあり袖は手がすっぽり隠れ、裾も膝が隠れるくらいの丈。
syp「ふはっ。Aさんって本当に小さいんですね」
隣で吹き出すショッピ君を軽く睨む。
『馬鹿にしてない？』
syp「いえ、可愛いって意味です」
遠慮なく肩を揺らして楽しそうに笑う彼を見るのがあまりに珍しくて、私も彼につられて笑う。
今こうして思えば、ショッピ君と2人で話すのは初めてで勿論出掛けるのも初めてな訳で。
グル氏に頼まれ事をしていなかったら、きっと私は彼がこういう風に肩を揺らして笑う姿を見れなかったかもしれない。
決して彼が笑わない訳では無い。
ただ遠慮しているような。そんな感じがして気になっていたのだ。
『いつもそうやって笑えば良いのに』
彼の顔を覗き込むように言えば、何故か少しだけ悲しそうな表情を浮かべて
syp「俺ツボ浅いんで抑えてるんですよ」
と先程の表情は消えて、冗談っぽく笑った彼に少しだけ安心する。
ショッピ君が屋敷に来たのは本当に数ヶ月前。
だから私はまだ彼のことを何も分かっていない。
数年一緒にいる皆のことだって、まだ分かりきれていないのだからショッピ君のことが分からなくて当たり前なのだけれど。
分からないけど、何処か懐かしくて一緒に居ると落ち着く。同い年だから？
遣われる敬語も距離感を感じさせないから、ショッピ君の隣はとても居心地が良くて安心するんだ。
syp「雨、止みませんね」
『インカムで誰か呼ぶ？』
syp「...もう少し待ってから呼びますか」
『そうしようか』
ショッピ君の言葉の真意に気付かないまま。
2人の時間はもう少し続く。
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは！コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました！気が付かなかったので教えて頂けて助かりました（ ；∀；）ありがとうございます！ (2018年11月11日 19時) (
レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。１つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか？ (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます（ ；∀；）探してみますね！笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：呉城莉李。 | 作成日時：2018年4月1日 11時
