【wrwrd】い ち ご み る く 【kn】

▲放課後、2人 ページ21

『何で私まで』
私がそう零せば、
「自業自得やろ。どうせ暇やったやろ？」
日誌と睨めっこしたままのコネシマは、嫌味たらしくそう呟く。
今日は部活の無い日だからクラスメイトは素早く帰宅して行き、放課後の教室には私とコネシマしか居ない。
そんな教室はコネシマが日誌を書くシャープペンの音と、2人の短い会話だけがやたら教室に響いて変に緊張する。
自分が日誌の担当である事を放課後に思い出したコネシマは、慌てて机に日誌を広げて真っ白なページに文字を走らせるから、そんなコネシマを鬱くんと一緒に散々煽ってから教室を出る予定だった。
それなのに「お前残れや」とコネシマに腕を掴まれたから、私は仕方なくコネシマの前の席に腰を下ろして今に至る。
鬱くんは「お先に〜」なんてニヤニヤして颯爽と帰ってしまったから、私の日誌担当の時に鬱くんに同じ事をしてやろうと思った。
『鬱くんと帰りたかったのに…』
今日は私が欠かさずに買っている漫画の発売日。
鬱くんもその漫画を読んでいるらしく、放課後一緒に本屋に行って、併設されたカフェで感想会でもしようかって約束をしてたのに…スマホの画面を見れば鬱くんから連絡が来ていた。
【Aちゃんの分も買っといたで^^明日渡すな！ 】
私はその通知を見て直ぐにお礼の返事をしてスマホをしまえば、コネシマはいつの間にか書き終わったらしい日誌を閉じて私を見ていた。
『…なに？』
思わず怯みそうなくらいの視線に私の声は少し上擦った。
kn「お前さ」
いつもより微かに低い声で紡がれる次の言葉が想像つかないから、私の体は若干緊張で強ばる。
kn「大先生の事好きなん？」
『は？』
予想外の言葉に怪訝そうな声音が漏れてしまう。
kn「大先生の事好きなんか聞いてるんやけど」
あまりにも真剣な目で私を見るコネシマは、目を逸らす事を許してはくれない雰囲気を纏っていて、私もそんなコネシマから目を逸らす勇気は持ち合わせていなかった。
『鬱くんの事好きだよ。当たり前じゃん、友達なんだし』
私がそう返せば満足するのかと思っていたのに、コネシマは表情1つ変えずに私を見たまま、「じゃあ俺は？」そう聞いた。
『…何なのさっきから』
私はいよいよ耐えられなくて目線を逸らしたけど、コネシマの質問は反れる事は無い。
kn「俺の事はどうなん？好きなん？」

コネシマの事は好きだ。
それを鬱くんの時と同じ様に口にすれば良いのに、違う意味になりそうで私は口を噤んだ。

放課後、2人を包む空気は熱い。

▽衝動的言動→←▽コーラ

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