炎の花 【煉獄 杏寿郎】

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『あ…っあ、あぁぁぁぁああっ！！師匠ぉおぉおぉぉぉおおっ！！！』



左目は潰れ、頭から血を流し、羽織りや隊服も血濡れている。
重傷なのは明らかだ。

対する猗窩座は、無傷。


重傷の師匠の姿に、猗窩座が何か喋っているが何も頭に入ってこない。

師匠が居なくなるんじゃないかという恐怖なのか、猗窩座に対する怒りなのか、表現できない感情が私の心を支配し、手は震え、呼吸も浅くなる。


「Aさんっ！！このままだと、煉獄さんがっ！」

『…は、っ、そんな事は…っ、分かってる！！』




師匠の助太刀をしなければっ！


でも私が間合いに入ると、師匠が私を庇い死ぬ。


私が1人で間合い入る事が出来たとしても死なない確率は皆無。


私でもなんとか目で追える程度の闘いなのだ。

それに、待機命令も出ている。
師匠の命令を無碍には…

でも！！
師匠の為なら、自分の命の有無なんて厭わない。
私の命の代償に、上弦の参を倒せるなら！！


力を振り絞り、ググっと震える手足に力を込たその時









「俺は俺の責務を全うする!!
ここにいるものは誰も死なせない!!」








『！？』


師匠の力強い言葉が耳に飛び込んできた。

私が命を捨てて猗窩座に一瞬の隙を与えたとしよう。
だが…師匠の誰も死なせない。と言う責務の完遂の邪魔をしてしまう。

師匠の顔に泥を塗ることにならないか？
侮辱することにならないか？

師匠は、死なない。
どんな深傷を被うとも、必ず生きて帰る。

それを信じることが、継子の責務なのではないか？




何が正解なのか分からない。




ごちゃごちゃ考えているうちに、師匠と猗窩座に動きがあった。








「炎の呼吸 奥義…」



「やはりお前は、鬼になれ！杏寿郎！俺と永遠に戦い続けよう！



術式展開…」








ー玖ノ型・煉獄ー






ー破壊殺・滅式ー









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