小あむぴ サイドストーリー【名探偵コナン】

6-2 ページ13

「小学生の時は、手川慶として偽っていたのはなぜだ？」




『さぁ？どうしてでしょうね？』

まだ、隠すつもりなのかはぐらかす。


「君が普段から男装している理由はこの時に出来たんじゃないのか？何らかの事件に巻き込まれ、トラウマを抱えている。女として、可愛いと言われることを恐れている。」

核心を突いてみると、慶に動揺が見られた。


『…っち。僕はトラウマなんて抱えてない。あったとしても、僕は強い。弱くない。』



「ほー？なら、小学生の時から男装をしていた理由を教えてくれないか？わざわざ偽名まで使っていた意味も含めてな。」




『男として生きたかった！！ただそれだけのこと。』


まだ、口を割らないか…


「ならなぜ、可愛いと言われることを恐れる？」




『そ…それは…』









「君が小学生2年の時か？誘拐され3日間拘束されていたんだろ？？」









『…ッ！？どうしてそれを？？』




「今はネットの時代で簡単に情報を消すことも出来るだろうが、人の記憶は簡単には消せない。」




『誰かに聞いたってこと？』


「親父さんにな。」


『親父に会ったの！？』



「会ったのは、俺じゃない。ちょっと一風変わった我々FBIの情報屋さ。今度親父さんに会ってやれよ？心配してたらしいぞ。」


『部下まで使って…ご苦労様です。』




「好奇心という名の熱病に冒されていたんだろうな。」


『何それ？』


「うちの部下が喜ぶセリフさ。」

赤井さんのためなら！と飛んでいってくれたぞ？？





『降参です。そこまでしてくれたなら、白状するよ。

僕は、小2の時に誘拐され3日間、拘束され続けた。その3日間、何百回いや、何千回と可愛いと言われ、続けた。


助かってからは、しばらくは引きこもっていた。



外に出たら男の視線が怖かった。


可愛いと言われると、パニックに陥った。



それなら、男の子として変装してみるか？少しは男からの視線をそらせるかも、と提案されたのが最初。



それからずっと。




今も思い出す。あの日のことを…



本当は怖いんだ…

女として出歩くことが、女として仕事をすることが…



僕は…大口叩いて、カッコいいこと言って男装であることを正当化してる、大嘘つき者なんだよ。




だから、親父にも会えない。
こんな引きずってる姿見せたら、親父にも辛い思いさせそうで。』

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