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黒髪の彼の言葉にハッとした後、虎杖君は
あーとか、うーとか、声を上げ、頭をガシガシと掻くと、謝罪の言葉を述べた。
「なんか、ごめんね。」
『いえ、別に…。勝手に私が泣いただけなので…』
寧ろ、私の方こそごめんなさい。と謝るものの
「え!?何!?何か悩み事?アドバイス…は出来ないかもだけど、話ぐらいなら聞くよ?俺。」
虎杖君は、ちょっと着眼点のズレた事を言い出した。
『あの、いや、えっと…』
「オイ、虎杖。いきなり過ぎるだろ。初対面の奴においそれと言えるわけねぇだろう。お前じゃあるまいし。」
「えっ?ダメだった??迷惑?あ、そっか。俺、虎杖悠仁!高1!あと……」
『…タメだ。え、名前、宿儺、じゃないの?』
ポツリと溢れた声を拾った虎杖君は
「何でその名前知ってんの?」
と、不思議そうな顔をした。
『さっき、言ってたでしょ?』
「は?」
『え?』
虎杖君は、きょろきょろと目線を泳がせ、最終的に辿り着いたのは、隣にいた黒髪の彼だ。
虎杖君の助けを求めるような視線に、黒髪の彼は
はぁー。っと、溜息をつき
「こいつ、二重人格なんだ。」
と、言い放った。
『……そうなんだ。』
なんか納得してない顔の虎杖君とは、目を合わせない事にした。
そしてそのまま、話は切り上げられる。
「じゃ。引き止めて悪かった。」
早々に立ち去りたそうにする黒髪の彼とは反対に、虎杖君は、私の事を気に掛けてくれている。
「誰かに話すと楽になるだろうからさ、もし、話し相手が欲しくなったら連絡してよ。」
伏黒、紙とペン持ってない?と、隣の彼に話しかけていた。
そんな虎杖君に、お前、マジか。と驚きの表情を見せたあと、ふかーーーーい、溜息をつくと、紙とペンを渡していた。
書いているのをぼんやりと眺めつつ、虎杖君も二重人格の事で悩んだ時に伏黒君に相談でもしたのだろう。そして、伏黒君は彼の良き理解者なのだろうか?と、変な憶測を立てていた。
「ん。これ、俺のケー番ね。」
『あ、うん。ありがとう。』
掛けるかと言われたら、9割の確率でかけないだろう。
だが一応、メモを受け取った。
メモには、虎杖 悠仁 の名前の後に電話番号とLIMEのIDまで、ご丁寧に書いてあった。
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こっちゃむ(プロフ) - 朧さん» 朧様、コメントありがとうございます!(^^)夢主さんイカれてますので、食べちゃいましたねw 神作品と言って頂けて本当に光栄です。涙までっ!こちらこそ、感謝の気持ちでいっぱいです!また、別の作品で会えることを願ってます!読んで頂きありがとうございました(*^^*) (2021年2月14日 22時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
朧 - こんばんは!神作品を作っていただきありがとうございます。夢主が宿儺の指を食べた所は「え、それヤバナイ?」と思いましたwでも後でまた生きてくれてて良かったと思いました!過去編もめっちゃ泣けました。本当にありがとうございました! (2021年2月13日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 猫人さん» 猫人様、コメントありがとうございます!(*^^*)数ある作品の中から目を通して頂けるだけでも光栄なのに、一気見、神作と、お褒めの言葉、大変嬉しく思います(*^^*) 最後までお付き合い頂きありがとうございました!(^^) (2020年12月29日 10時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
猫人(プロフ) - 設定やストーリーがしっかりしていて一気に見てしまいました!とてもおもしろかったです。神作をありがとうございます!! (2020年12月28日 22時) (レス) id: 06ea173e41 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 雪丗さん» 雪丗様、いつもありがとうございます!この話は終わりは決まってたのです(^^) 書き置きにオチまで載せてしまうとあれかなーと思って載せなかっただけなので!なんて言うか、勢いで書き切りました!!また、改めてメッセージ読ませて頂きますね!(*^^*) (2020年12月16日 17時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こっちゃむ | 作成日時:2020年12月14日 21時