【呪術廻戦】ーー愛だもの。【両面宿儺】

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夜襲をかけたのだ。

金を使って、腕の立つ人間を何人も雇って。

いくら腕っ節の強い宿儺と言えども、多勢に無勢、そして私を人質に取られたら身動きが取れなくなった。


身重の私は、足手まといにしかならなかった。


彼だけでも逃げてくれたら良かったのに…



結果、宿儺は致命傷を負ってしまった。



私は脚の腱を切られ、歩けなくされた。

2人して家の中に放り込まれたと思ったら、奴らは家に火を放った。

大きくない小屋のような家だ。
火の回りも早い。




やっぱり、私は不幸にする存在だったのだ。

宿儺も私の隣に居たばかりに、こんな不幸(おわり)を迎えてしまった。



『本当に、ごめんなさい。』


そう言う私に、宿儺は優しく笑うのだ。
お前のせいじゃない。と、私の涙を拭った。



「…また、お前を見つけ、る。どんなに、時間がかかっても。俺はお前を……」








＿＿＿＿＿＿愛してる






その言葉を最期にこの世を去った愛しい人。
そのくたりと身体の力が抜けた亡骸を、ぎゅっと抱きしめる。







『宿儺、私が貴方を愛してしまったばっかりに…っ。貴方にはもっと、生きて欲しかった！！生きるべきだった！この子も死なせたくなかった！！貴方と離れなければならなかったのに… 私が幸せを望んでしまったから…っ！！


ごめんね、ごめんなさい…っ。』



流れ行く涙もそのままに、心の内をぶち撒ける。





『私も貴方を愛してます！！そしてまた、貴方に恋をするでしょう。ありがとう。また、逢う日まで。』






まだ、温かい彼の唇に、己の唇を押し当てた。




彼の頬にポタリと雫が落ち、彼もまた泣いているようだった。




彼を抱き締め、そのまま業火に焼かれた。







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