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「分かっておるのだ。Aが此処に居る事は。主人を死なせたくなければ、Aを出せ。」
宿儺が苛立つ様に言うも、家の門の前に立つ男か女か分からない奴は、淡々と同じ事を繰り返す。
「安心して下さい。彼女を傷つける事は一切しません。あと四半刻もすれば、お帰しします。」
「式神風情の戯言など信じられん。30分も此処で待っておれと?この俺に?」
側から見れば、生意気な子が大人に絡んでる図でしかない。
それを変な目で見る奴は1人もいない。
何故なら、この周りには家が一軒も建っていないからだ。
宿儺が押し問答を繰り広げているのは、呪力を持つものが入れない帳が下されているから。
僕達は屋敷の中に入る事が出来ないのだ。
僕と宿儺は、呪力を相手に感知されないように呪力を誤魔化すことは出来るが、呪力が無くなるわけではない。
よって、この帳には跳ね返される。
帳を解除する事も出来る。
ただ、簡単にそちらさん方も解除される様な事は逃れたいはず。
となると、争うしかなくなる。
しかし、大事になるのも避けたいところ。
母さんが僕達の存在が呪術師達に知られるのを嫌がっているからだ。
帳を無理やり破壊しようとすると、それ相応の術式を使わなければならない。
下手すればこの辺一帯が更地になるほどのものだ。
母さんが巻き込まれないという保証はない。
どうしたものかと、考えていると…
ドクリ
心臓を鷲掴みでもされた様な恐怖がこの身を貫いた。
それは、宿儺も同じだった様で
「………不愉快だ。」
低く唸るような声だった。
「1分。北西。」
宿儺は僕に指示を飛ばす。
「りょーかい。殺すなよ!!」
あんまり納得してない顔だったが
「…分かっておる。」
何とか、望んでいた言葉が返ってきた。
先程の言葉だけで、僕はしなきゃいけない事を理解していたので、すぐさま向かった。
北西で帳を降ろしている人物を1分で倒してこい。と言うこと。
1分じゃちょっと厳しいけど、やるしかない。
そして、宿儺は式神を動かしている奴を叩きに行くこと。
だから念のため警告しておいた。
殺すなよ。と。
そんな事したら、母さんは悲しむ事は目に見えている。
一刻も早く帳を解除して、母さんを助けに行かなければ。
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こっちゃむ(プロフ) - 朧さん» 朧様、コメントありがとうございます!(^^)夢主さんイカれてますので、食べちゃいましたねw 神作品と言って頂けて本当に光栄です。涙までっ!こちらこそ、感謝の気持ちでいっぱいです!また、別の作品で会えることを願ってます!読んで頂きありがとうございました(*^^*) (2021年2月14日 22時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
朧 - こんばんは!神作品を作っていただきありがとうございます。夢主が宿儺の指を食べた所は「え、それヤバナイ?」と思いましたwでも後でまた生きてくれてて良かったと思いました!過去編もめっちゃ泣けました。本当にありがとうございました! (2021年2月13日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 猫人さん» 猫人様、コメントありがとうございます!(*^^*)数ある作品の中から目を通して頂けるだけでも光栄なのに、一気見、神作と、お褒めの言葉、大変嬉しく思います(*^^*) 最後までお付き合い頂きありがとうございました!(^^) (2020年12月29日 10時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
猫人(プロフ) - 設定やストーリーがしっかりしていて一気に見てしまいました!とてもおもしろかったです。神作をありがとうございます!! (2020年12月28日 22時) (レス) id: 06ea173e41 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 雪丗さん» 雪丗様、いつもありがとうございます!この話は終わりは決まってたのです(^^) 書き置きにオチまで載せてしまうとあれかなーと思って載せなかっただけなので!なんて言うか、勢いで書き切りました!!また、改めてメッセージ読ませて頂きますね!(*^^*) (2020年12月16日 17時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こっちゃむ | 作成日時:2020年12月14日 21時