検索窓
今日:39 hit、昨日:5 hit、合計:181,921 hit

-2 ページ37

.


中学に入ってからは、宿禰は球蹴りの部活というものに入ったらしい。

理解出来んな。球を蹴る事に、何故あんなに夢中になれるのか。

しかも宿禰ときたら興に乗ずると、時間も忘れて蹴り回っておる。



『もう、こんな時間だけど…宿禰大丈夫かな?』


何度Aが、帰ってこないと心配したことか。


「心配いらん。直に帰ってくる。」


何度、大丈夫だ。とAを宥めたことか。


何故なら、宿禰の危険は俺にはすぐ分かるからだ。


俺と宿禰は互いの危険を察知する事が出来る。胸走るのだ。

相方が危険だと。

それは、Aにも通用する。

俺達2人はAの危険を察知する事が出来るのだった。

しかし、呪力、術式を持たないAは、察知する事は出来ない。



『でも…。ちょっと見てくる。』


上着を手に取り外に出ようとするAを止め


「…俺が行く。」


やはり宿禰には一度、しっかり言って聞かせねばならんな。




.




.









「……遅い。」



何時ものように1人で帰宅し、長椅子に座る俺は、不満を口に出した。




その日は、いつもなら帰って来ているはずの時間を過ぎてもAが帰って来なかったのだ。




たまに仕事が終わらず、遅くなる日もある。


「…仕方の無い。」


今日もその日なのかと思い、疲れて帰ってくるだろうAのために、夕飯を作ってやる事にした。


昔に比べて随分食材が増えた。
調味料もだ。

電気機器を使うのは未だに慣れんが、他の要領は然程変わらない。


宿禰に言わせれば、何でも熟せる宿儺はズルい。だそうだ。

こちとら、一度は普通に人生を送っておるし、封印中も合わせれば、宿禰年齢の百倍は過ごしてきたのだ。

当たり前と言えば当たり前なのだ。

ズルイも何もないだろう。

30分ほど経った時、ガチャリと、玄関が開く音が聞こえた。


Aが帰ってきたと思ったが



「母さん、今日の夕飯なに?」



居間の扉を開けて、顔を出したのは宿禰だった。


台所に立ってるのが俺だと分かると、


「あ、宿儺が作ってんのね。母さんは、仕事?」


質問を変えた。



宿禰質問に答えようと口を開こうとした時…




2人同時に目を見開いた。




「…何、どうし、え?」



宿禰は焦り、発言もままならない。


俺は怒りに表情が歪むのが分かった。





カチリとコンロの火を止めた。






「いくぞ。Aが危険だ。」



誰だ。


Aを恐怖に陥れている奴は。



生きて帰れると思うなよ。


地獄以上の地獄を見せてやる。




頷いた宿禰と一緒に家を出た。




.

-3→←おうち



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (120 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
149人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 両面宿儺
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

こっちゃむ(プロフ) - 朧さん» 朧様、コメントありがとうございます!(^^)夢主さんイカれてますので、食べちゃいましたねw 神作品と言って頂けて本当に光栄です。涙までっ!こちらこそ、感謝の気持ちでいっぱいです!また、別の作品で会えることを願ってます!読んで頂きありがとうございました(*^^*) (2021年2月14日 22時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
- こんばんは!神作品を作っていただきありがとうございます。夢主が宿儺の指を食べた所は「え、それヤバナイ?」と思いましたwでも後でまた生きてくれてて良かったと思いました!過去編もめっちゃ泣けました。本当にありがとうございました! (2021年2月13日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 猫人さん» 猫人様、コメントありがとうございます!(*^^*)数ある作品の中から目を通して頂けるだけでも光栄なのに、一気見、神作と、お褒めの言葉、大変嬉しく思います(*^^*) 最後までお付き合い頂きありがとうございました!(^^) (2020年12月29日 10時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
猫人(プロフ) - 設定やストーリーがしっかりしていて一気に見てしまいました!とてもおもしろかったです。神作をありがとうございます!! (2020年12月28日 22時) (レス) id: 06ea173e41 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 雪丗さん» 雪丗様、いつもありがとうございます!この話は終わりは決まってたのです(^^) 書き置きにオチまで載せてしまうとあれかなーと思って載せなかっただけなので!なんて言うか、勢いで書き切りました!!また、改めてメッセージ読ませて頂きますね!(*^^*) (2020年12月16日 17時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:こっちゃむ | 作成日時:2020年12月14日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。