【呪術廻戦】ーー愛だもの。【両面宿儺】

受け継がれる命 ページ28

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宿儺が消えた…。


その事に絶望感を覚えた。


しかも、私が飲み込んだせいでこの世から居なくなってしまっただなんで…


最愛の人に最期のトドメを刺してしまったなんて…


なんて言う皮肉なのだろう。



もう一度、この世に生まれ変わってくれないかと祈った事もある。



でも、もう、無いのだ。



消えたと言う事は…



生まれ変わる魂が無い。



『…っ、す、宿儺ぁ…っ！』




辛くても、毎日は過ぎて行く。

頬を濡らす涙は、自分で拭うしかなかった。




後を追ってしまおうかと、何度も思った。


だけど、悉く失敗するのだ。



『…なんでよ、宿儺と同じ場所に逝かせてよ。』



まるで、何が私を引き留めているように…









あの日から2ヶ月過ぎた辺りに、今度は身体の異変を覚えた。



女性特有の月ものが来ないのだ。



不順なのか、ストレスなのか、そう考えていた。



半年来なかった時に、ようやく気付いた。








『…赤ちゃん？』





子供が出来るような行為をした訳じゃない。





もしかして…


１つの可能性に辿り着く。




宿儺が居なくなってから、涙で濡らしていた頬に、初めて笑みが浮かんだ。







もちろん、初めは両親は反対していた。
しかし、ここ最近生に執着していなかった私が
産むことに執着していたため、子供が私を引き留めてくれれば、生き甲斐になってくれればと、考え直し、最終的には、許可をしてくれた。






そして…





月が綺麗に輝く夜だった。




この世に２つの命が産声を上げた。









あぁ、やっぱり！！



そっくりだ！！








『…ふふふ。おかえり、宿儺。はじめまして、宿禰。』







今度は、ちゃんと護るから









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