【呪術廻戦】ーー愛だもの。【両面宿儺】

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「だから、僕は呪霊の宿儺を祓う。僕ね、最強の呪術師なの。」

『宿儺を…祓う？』


初めて聞いたことばかりで、頭は混乱していて、相手を敬う敬語という概念も吹っ飛んだ。
ただ、“祓う”という言葉は、私と宿儺にとって良くないものだと直感で感じる事が出来た。


「そ。祓うの。」

『祓ったら、宿儺はどうなるの？』

「んー？祓ったら、宿儺は消えて無くなる。」

『え、なんで、消さなきゃいけないの？」

「宿儺は凶悪な呪いだからね。野放しにしておくには危険過ぎる。1000年以上前も呪術師が束になっても敵わなかった、呪いの王。それが、悠仁の中にいる両面宿儺だ。女、子供関係なく、人を殺してたって話。危ないでしょ？」

『で、でも！！今はしてない！』


そんな殺戮事件があればきっと、どこもかしこもそのニュースで持ちきりだろう。
だが、そんなニュースは聞いた事は無い。


「今のところね。1人殺して生き返らせたけど、その話もしとく？」


なんて、軽く言う。


『え、殺して生き返らせた？』

「ま、話が長くなりそうだから、また今度ね！で宿儺が暴れないのは、悠仁のおかげ。」

『虎杖君の？』

「そ。悠仁は、宿儺の力を制御出来る。宿儺の力を宿しても尚、自我を保てるすごーい子。」

『…っ、なら！！宿儺を殺す必要は無いんじゃ？』

「宿儺の力は20本の指に分散されていて、20本全ての力を悠仁が取り込んだ時、悠仁共々、宿儺を殺す。それが、悠仁が指を取り込んだ時に上が決めた筋書き(シナリオ)。でも僕はね、悠仁を殺したくないから、その筋書き、ぶっ壊すつもり。僕、最強だから。」


ふふん。と楽しそうに語る彼は、きっと本気でやるつもりだ。


『じ、じゃあ！』


私が言う事より先に、彼が口を開く。


「悠仁を生かしたまま、呪いの王、両面宿儺を祓う。その方法を考えてる。」

『待ってよ！！私がもう、宿儺に人殺しなんてさせない！側に居るから！！宿儺を殺さないでっ！！』


ようやく出逢えたのに…っ！！


しかし、彼から出てくる言葉は冷たいものだった。


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