【呪術廻戦】ーー愛だもの。【両面宿儺】

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じゃあ。と彼女に別れを告げた後、本来の目的地へと歩き出す。

あ、あの子の名前、聞くの忘れた。

そんな事を考えていると、伏黒から質問が飛んでくる。


「お前、宿儺に身体乗っ取られたのか？」

「んー？分かんね。」

気付いたら、あの子の涙を拭ってた。
乗っ取られたのかもしれないけど、宿儺は危害を与える事はしてなかった。
意識は乗っ取られたのかもしれないけど、宿儺が暴れない様に身体は制御してたのかも？
じゃあ、何で彼女の元へ走り涙を拭ったのか。うーん。

やっぱり、乗っ取られた？？

え、ちょっと待って。
宿儺がそんな優しい男だったってこと？
泣いてるあの子の涙を拭うために、走ったの？
マジ？？
どったの、宿儺！？

頭の中がプチパニックを起こしている俺に、伏黒は再度質問を投げかけた。


「宿儺は、何にも言ってないのか？」

「Aに触るな。みたいな事は言ってた。」


涙を拭っていた手の事だろうけど。
あ、じゃあ、やっぱり、俺が涙を拭ってあげようとしたってこと？


「A…？さっきの子の名前か。」

「多分、そー。」


え、俺、名前聞いてないのに？
宿儺と自己紹介しあったの？！

えー、えー、えー！？

俺は宿儺。君の名前は？とか聞いたってこと！？
んで、涙を拭ってやってたの！？

は？？マジ？？



「五条先生に相談してみるか。」


そうしよう。五条先生に相談しよう。
俺の頭の中じゃキャパオーバーだ。
俺は考える事を放棄した。

「あの人、帰ってっかなー。あの子制服だったけど、何高か分かる？」

「五条先生、神出鬼没しな。高専に居なかったら、電話でも何でも入れとけば良いんじゃないか？急いで片付けるようなもんでもないだろ。分からん。」

「そっか。けど、あの子、何であんなに泣いてたんだろな。」



宿儺がどうのってより、最終的にそっちの方が気になった。





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