【呪術廻戦】ーー愛だもの。【両面宿儺】

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私は物心いた時には、視えてはいけないものが視えていた。

一度だけ母に言った事があったが、幼子の戯言だと、真摯に受け止めて貰えなかった。

それ以降は他人に言う事はしなかったので

後にも先にも、母に言った一度だけ。



それらは、私に助けを求める様に集まった。
それらは、周りの氣を悪くするらしく私の周りの者は皆、病気を患ったり、仕事が上手くいかなかったり、何かと不幸が降りかかった。

それらの対処法を知らない私は、ただただ、周りに集めるばかりだった。

両親が事故で亡くなり、親族の家でお世話になり始め、その親族の家でも不幸が続く。
その負の原因は私ではないかと、人々は私の存在を恐れ始めた。




そして恐れた人に家を追い出され、山奥でひっそりと暮らしていた私は、この視えてはいけないものをどうにかしようと考え始めた。




私の中に取り込む事が出来ないだろうか？



私は、これが近寄って来ようが何も害は無いのだ。
私の周りに彷徨いているから、周りの氣が悪くなり不幸に貶めてしまうのでは無いかと。



『…おいで。君達の未練を私が引き継ごう。』





上手くいったのか分からないが、触れるとそこにいたのは消えた。


だけど、どれだけ受け止めてもまた現れる。


キリがない。そう思いつつも、彼等を受け止め続けた。







そんな時に、私の前に現れたのは彼…宿儺だった。

彼もまた、1人だった。

幼い時に両親を亡くし数年前にてくれた祖父も亡くし、家も嫌になって、飛び出してきたという。


境遇が似た二人が惹かれるのにそう時間はかからなかった。



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「A…。お前と供にこれからを歩みたい。家族にならぬか？」

『私は、人を不幸にしてしまう。私と一緒になっても、幸せにしてあげれないし、そのうち宿儺にも不幸が訪れる。此処で独りでいる事が、宿儺やみんなの幸せに繋がるから。ごめんなさい。』

「ほう？」

『だから、貴方ももう此処に来ちゃ駄目だよ。』

「分からんな。お前の目は独りにしないでと言っておるのに。お前が俺を幸せにする？嗤わせるな。不幸にする？お前の尺度で俺の気持ちを量るな。不愉快だ。お前に俺を不幸にする事は出来ない。寧ろお前の隣で、俺は幸せになれる事を証明してやろう。俺は、お前無しじゃ幸せになどなれぬ。」




そう言って宿儺は、私の家に転がり込み2人で暮らし始めた。

宿儺に愛慕を寄せてた私は、彼を拒む事は出来なかった。


宿儺との生活は、私の心をすぐに豊かにした。





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