81-1 ページ7
.
同僚に、いつ言い出すの？もう言い出した？と責付かれるものの、なかなか伝えられずに時間だけ過ぎていく。
実は、クリスマスの朝からすれ違う毎日で、一度も会っていないのだ。
警視庁で寝泊まりしているか、帰って来たとしても、私が仕事に出ている間らしかった。
簡単なものだが、時たま作られている夕飯が帰宅はしている事を物語っていた。
料理している暇があるなら、寝て欲しいものだ。
自身も一度は警視庁に籍を置いていた身。
その仕事の忙しさは理解している。
こちらが作るにしても、いつ帰って来るのか分からないから作らなくても良いと言われてしまったのだ。
『だったら、私の夕飯も作らなくて良いっつーのに…。』
ラップを掛けて置いてある夕飯に向け文句をたれたこともある。
だが、その文句は伝えたい相手に届く事なく、消えていくのだった。
仕事納めの今日、同僚達と外で夕食を済ませたので、いつもより遅い帰宅だ。
そこでも、責付かれたのは言わずもがな。
『そんな簡単に言えてたら、もっと昔に言ってる。』
店内でポロっと零してしまった言葉を聞き逃すわけがない未玖は
「ほぅ？なるほど。やっぱりそうだったのねぇ。しかも、長年の恋拗らせてんだ。へぇー？そうなんだ。へぇ？」
ニヤニヤと向けられる視線に、タジタジだ。
「とっとと告白なり、押し倒すなりしちゃいなさいよ。
言っちゃえばね、今この一瞬が1番若いのよ？先延ばしにすればするほど、老けるよ。」
などと、言われる始末。
『返す言葉もございません。善処します。』
「分かればよろしい！！Aは、出来る子！！」
豪快に笑う彼女は、嬉しそうだった。
『はあー、サッパリした。』
飲食店特有の臭いから解放される。
ガシガシと頭をタオルで拭きながら廊下を歩く。
入浴も済ませたので、後は寝るだけとなったのだが…
明日から休みだし、無理に寝なくても良いかと判断し、1人晩酌をするためグラスとお酒を取り出しダイニングテーブルに座った。
すると、
「ただいま」
と、陣平が帰ってきたのだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 250人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こっちゃむ(プロフ) - イアデビルさん» イアデビル様、コメントありがとうございます！(*^^*) こうやってコメント残して頂けると大変原動になります！！続きも早くお見せ出来るように、頑張ります！(*^^*) (2020年5月19日 10時) (
レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ面白いです！うわぁ！松田さん！せっかく夢主ちゃんと一緒になれたのに！生きてー！続きめっちゃ気なります更新頑張ってください！ (2020年5月18日 18時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - ヒカルさん» ヒカル様、コメントありがとうございます！(^^) そう言って頂けて大変光栄です！鈍足更新ですが、これからもよろしくお願いします！(^^) (2020年4月22日 22時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
ヒカル(プロフ) - すごく素敵なお話すぎてキュンキュン超えて胸がギュンギュンします！！！！次の更新楽しみにしてます！！ (2020年4月21日 4時) (レス) id: d236199f8e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こっちゃむ | 作成日時：2020年4月14日 0時
