94-1 ページ44
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お袋と一緒に戻ってきたAは、ここでの面会時間は限られてるし、午後は他の人も会いに来るだろうから、また明日来るね。と言う。
立ち去る直前に思い出したように振り返り、
『あ、そうだ。研二から伝言。』
「…あ？」
『“大事なもん人に託すな。”だって。』
「…っふ。あぁ。」
『じゃ、明日。愛子さんもしっかり休んで下さいね。』
と、言い残して帰って行った。
意識が無くなる直前、高木に託した指輪の存在を思い出した。
萩原はきっとその事を言っているんだろう。
お袋も、入院に必要なもの取りに帰るわね。と帰って行ったので、一人になった所で、また睡魔に襲われ眠りについた。
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その日の午後の面会時間に訪れたのは高木と佐藤だった。
「松田さんっ！本当に、良かったです！！」
「野郎の泣き顔なんざ見たくもねぇ。」
至る所が痛いが、Aの面会後より大分ハッキリと話せるようになった。
そんな俺の姿を見て安心したのか、高木が泣き出した。
「な、泣いてませんっ！！」
「は、どうだか。」
「高木君。もう少し声を抑えて。」
「はいっ！」
「これだけ憎まれ口叩けるなら心配ないわね。けど、本当に良かったわ。ゆっくり休んで、しっかり治してから戻ってこい。って、目暮警部から伝言。」
「りょーかい。最短で復帰してやるよ。」
「あら？頼もしいわね。」
「松田さん、コレ…。」
おずおずと高木が差し出したのは、俺が預けた指輪のネックレスだ。
「大事な物なんですよね？」
そう言うと、高木がそっと俺の手に握らせてくれた。
「あぁ、悪いな。」
固定されている腕は、可動域が狭く、思ったより動かせない。
しっかり握ったそれは、手に馴染んだ。
「それで、ライターなんですが…」
一瞬、ライター？と思ったが、すぐにZippoの事だと理解した。
「あぁ。吹っ飛んじまったもんな。」
手に握られていたそれは、衝撃で何処かへ飛んでいった。
見つからなくても仕方がないなと思っていたのだが
「あ、いや、あったには、あったのですが…」
「んだよ。あるなら寄越せ。それも大事なもんだからよ。」
煮え切らない態度に、催促の言葉を投げかけた。
その言葉におずおずと内ポケットから取り出し、ベッドに付いたテーブルの上に置いたソレは、高木が出すのを渋ったのが良く分かるほど、壊れていた。
「傷はもちろんなのですが、衝撃で、蓋が壊れてしまったみたいで…」
蓋は外れているし、無地だったボディには地面で滑って擦れたような傷が全体についていた。
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94-2 これ以上削れない、ページも増やしたくない。という、作者の傲慢で、94-1に追加文章あります。すいません。→←93-1
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こっちゃむ(プロフ) - イアデビルさん» イアデビル様、コメントありがとうございます！(*^^*) こうやってコメント残して頂けると大変原動になります！！続きも早くお見せ出来るように、頑張ります！(*^^*) (2020年5月19日 10時) (
レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ面白いです！うわぁ！松田さん！せっかく夢主ちゃんと一緒になれたのに！生きてー！続きめっちゃ気なります更新頑張ってください！ (2020年5月18日 18時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - ヒカルさん» ヒカル様、コメントありがとうございます！(^^) そう言って頂けて大変光栄です！鈍足更新ですが、これからもよろしくお願いします！(^^) (2020年4月22日 22時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
ヒカル(プロフ) - すごく素敵なお話すぎてキュンキュン超えて胸がギュンギュンします！！！！次の更新楽しみにしてます！！ (2020年4月21日 4時) (レス) id: d236199f8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こっちゃむ | 作成日時：2020年4月14日 0時
