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『…はぁ、はっ、はぁッ!!』



私はひたすら険しい山道を走っていた。


「グワゥッ!!」


私の背後から追ってくるのは野犬。


子犬だ!!と迂闊に近付いたのが運のつき


他にも足音が聞こえる!と思い振り返った時には、


「ヴヴゥッ!!!」


『…っや!!』


親犬が私の腕に噛み付こうとしてきたのだ。


“犬に噛まれると病気になるかもしれないのよ?”


咄嗟に母の言葉を思い出し、慌てて鞄を振り回し、野犬を追い払う。

当時、幼い私は狂犬病という病気のことは詳しく分からなかったが、後々詳しく教えてもらった時、とても怖い病気だと知った。


鞄を投げ捨てる様に、そのまま手放した。


鞄に野犬が怯んでいる隙にその場から逃げ出す。


犬って、こんなに怖いものなの!?
町にいるこのくらいの小型犬は吠えるものの、襲い掛かってくる事は無かったのに!!


恐怖心を抑え、必死で逃げる。


慣れない山で勝手が分からなかったのもあり、知らず知らずの内に野犬達の縄張りに足を踏み込んでしまったらしい。
野犬達も中々諦める事をせず、いつまでも追いかけてくる。


足場の悪いところでも走り続け、視線を巡らせ、隠れる場所か、高い場所と探していた時だった



『…っぁ!?!?』



地面を蹴り損ねた感覚と同時に、視界が反転。


次の瞬間には、全身に痛みが走った。



足を滑らせ坂道を転がり落ちたのだった。



回転は大木にぶつかり止まることになる。


『…っいっ!?!?!』


その衝撃に息がつまった。
だが追いつかれる前に走って逃げないとと、立ち上がろうとしたのだが足を捻ったのか酷い激痛で立ち上がれない。

それに、肩も強く打ったため左肩が酷く痛み、手も痺れている気がする。

慌てて転がり落ちる前の場所を見ると、野犬がウロウロしているものの、ここまで降りてこようとしなかった。




『…助かった。』



ひとまず、沈みゆく太陽の位置を把握しようと空を見上げた時に目に入ったのは…


『っ!?!?』


大木に付けられた大きな傷

その傷に私の心臓は大きな音を立てた。
それと同時に襲ってくる新たな恐怖。

野犬が追って来なかった理由も理解することとなる。





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こっちゃむ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐様、コメントありがとうございます!(^^) そう言って頂けて、大変嬉しいです!!(*^^*) 伊之助の方も何となく終着点が見つけられたような…?という感じですので、もうしばらくお待ち下さい!(>_<) 応援して下さりありがとうございます!(^^) (2020年2月29日 13時) (レス) id: d587bb3c17 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 炭治郎と夢主ちゃんのお話面白かったです!伊之助と夢主ちゃんの物語も気になりますね…!頑張ってください! (2020年2月28日 20時) (レス) id: 1a85cef6da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こっちゃむ | 作成日時:2020年2月19日 11時

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