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藤川side
まだやるべき仕事が残っていたから、医局に残ってパソコンと向かい合う。
冴島「……すごい雨ね、」
そう冴島が話しかけてきて、外に目をやれば、
数メートル先は見えないほどの豪雨だった。
「……これでまた事故が増えるんだよな、それがまた、雨が止んだあとだし」
冴島「……確かにそうね、」
夜の静かな医局で二人きり、他愛もない話をしていた。
その時だった。
prrriii,prrrrriii,と、ホットラインとは違った
小さな音で、私用のケータイが音を鳴らした。
スマホを取り出して名前を確認するも、非通知表示だった。
「……わりぃ、今落ち着いてるし、ちょっと出てくる」
誰だろう、と思いつつ電話に出る。
「はい、もしもし、?」
そう、軽めに電話に出た。
けれど、その返事は予想とは違った人からで。
『……あの、私、○○警察のものなのですが……』
「え、警察……って、」
なぜ、俺に。
_____俺、電話されるようなことしたっけ、!?
そんな俺の変な焦りを他所に、その人は暗く、低い声で応えた。
『……あの、藍沢耕作さんのお知り合いの
藤川一男さんでしょうか、?』
…………藍沢、?
なんで、藍沢のことで、警察が、………?
そんな疑問を抱きつつ、その問いに応える。
「……え、あぁ、はい、そうですけど……」
その次に聞いた言葉は、信じられないものだった。
『実は、………藍沢さんが、亡くなられました…』
周りの音が、全て消えたように感じた。
………………は、?藍沢が、?
なんで、どうして…………?
イタズラか、?…………夢なのか?
衝撃的な言葉を聞いて、思うように働かない頭に浮かぶのは疑問ばかり。
「…………え、っと…、」
やっとの事で出た言葉はこれだけだった。
『…………詳しいことをお話したいので、藤川さんだけでもよろしいですし、何人かで来て頂いても構いませんので、○○病院まで来ていただけませんか、?』
「……あぁ、はい…………。わかりました…」
そう応えたのは、ほとんど無意識だった。
何も考えられない頭で、ボーッとしながら医局に戻る。
冴島「あ、電話誰だったn…………」
微笑みながら聞いてきた冴島は、俺の表情で何かを読み取ったのか、その笑みを消す。
冴島「…………何が、あったの……?」
「………警察から、電話があって、……藍沢が、
亡くなったって、」
自分の口では、とても言いたくなかった。
現実を、受け止めるようで。
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雷 - ヒロアカの相澤先生とコードブルーの藍沢先生をコラボしてほしい (2021年2月10日 1時) (レス) id: 98e42ae13b (このIDを非表示/違反報告)
原 しおり - アナ雪と藍沢せんせーのやつ!! (2020年1月4日 18時) (レス) id: d467e69a73 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - ありささん» コメントありがとうございます!!!楽しんで頂けているのなら、光栄です!!テストなどで更新頻度が減ることもあると思いますが……。こんな作者ですが、これからもよろしくおねがいします、!! (2019年7月17日 23時) (レス) id: 84f0d9b71f (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - 毎回楽しく読ませてもらってます!!更新速度も早いのですごく楽しみです!これからも頑張ってください!応援してますっ!!! (2019年7月17日 23時) (レス) id: d90df726ae (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - めいさん» そんなこと言って頂けてとても嬉しいです!!応援ありがとうございます!頑張ります、! (2019年7月17日 13時) (レス) id: 84f0d9b71f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年4月4日 0時