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あの後、酸素投与で呼吸も落ち着き、挿管までには至らなかった。



今は空床もないため、もうこの時間で使うことの無い外来で、
酸素マスクと栄養投与のための点滴をしながら眠っている。




藤川「……何があったんだろうな、あいつ」

もうとっくに静かになった医局でポツリと呟く藤川先生。


「…………うん…藍沢先生があんなになるなんて、……相当のことよね、」


藤川「…………正直に話してくれるかも問題だけどな、」


「…………そうね、」



いつものような何気ない会話だったけれど、
どこか重たい空気だった。



****


ピリリリリリッ、と院内スマホが音を立てて鳴ったのは、
藍沢先生が倒れてからに時間が経った時だった。


「はい、白石です」

横峯『…っあ、白石先生!藍沢先生がさっき目を覚ましました!』

「分かった。すぐ行くわ。」



通話を切ったところで緋山先生が話しかけてきた。



緋山「どうかしたの?」

「藍沢先生が目を覚ましたって。…緋山先生も来てくれる?」

緋山「…………分かった、」





少し面倒くさそうに言う緋山先生だけれど、
さっきまでソワソワしていたのは気付いていた。






それに、彼も同期が行った方が気楽だろう。




____私達にでさえ本音を言わない彼が、
フェロー達が行ったところで、もちろん素直にはなすことも、気が楽になることもないだろう。





ただ、同期の私達が行ったところで彼が素直に話してくれるとも限らない。





けれど、彼の支えに、心の許せる場所に、
…………少しでも、素直になれる場所になってあげたい。





…………素直になってくれるといいけど、
なんて思いながら、外来の診察室へと向かった。



****


外来の診察室に着いた時には、点滴も外され、もう藍沢先生は起き上がっていた。


「……あ、藍沢先生。もう大丈夫そう?」


藍沢「………あぁ、問題ない。」



本人はそう言っているけれど、まだ少ししんどそう。



「……まぁ、とりあえず熱測っておいて。」

そう言いながら体温計を渡す。



藍沢「熱なんかn…「いいから」

藍沢先生の言葉を遮って、体温計を押し付ける。



…………頑固だけれど、押しに弱い。




______ほんと、優しすぎるのよね。




そんなことを考えていると、ピピピピピッと音を立てて体温計が鳴った。



「…何度だった?」


藍沢「…37,0℃だ。…これくらい、寝てれば治る。……もう良いか」

そう言って出ていこうとする藍沢先生を呼び止めた。



文字数のため次に(ฅдฅ。)‧º·˚

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- ヒロアカの相澤先生とコードブルーの藍沢先生をコラボしてほしい (2021年2月10日 1時) (レス) id: 98e42ae13b (このIDを非表示/違反報告)
原 しおり - アナ雪と藍沢せんせーのやつ!! (2020年1月4日 18時) (レス) id: d467e69a73 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - ありささん» コメントありがとうございます!!!楽しんで頂けているのなら、光栄です!!テストなどで更新頻度が減ることもあると思いますが……。こんな作者ですが、これからもよろしくおねがいします、!! (2019年7月17日 23時) (レス) id: 84f0d9b71f (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - 毎回楽しく読ませてもらってます!!更新速度も早いのですごく楽しみです!これからも頑張ってください!応援してますっ!!! (2019年7月17日 23時) (レス) id: d90df726ae (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - めいさん» そんなこと言って頂けてとても嬉しいです!!応援ありがとうございます!頑張ります、! (2019年7月17日 13時) (レス) id: 84f0d9b71f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年4月4日 0時

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