2 ページ3
吐瀉物は、俺のフライトスーツの裾から靴にかけてにかかったが、
普段からどんな現場にも出ていく救命医にしたらよくある事で。
………だから、そんなに気にしていなかった。
早川「……翔北まで、あと5分ほどです」
そんな、操縦士の声が聞こえた時だった。
自身の、異変に気づいて。
＿＿＿＿＿＿気分が、悪い………
＿＿＿＿＿息が、うまくできない……
雪村「………っ、」
少し周りを見れば、横峯も雪村も気分が悪そうだった。
こうなったのは、患者が嘔吐してから。
…………毒物、か……………………。
……それなら、まずい。このままでは、全員倒れてしまう。
そう思って、早川さんに報告しようかと、そう思った時だった。
ｸﾞﾗｯｯ、と視界が真っ暗になって、身体が傾くのが分かった。
けれど、それを支えるどころか、力が入らなくて。
ｽｯｯ､と力が抜けるようだった。
「……藍沢先生……！！」
最後に、そんな声を聞いた気がしたが、答える気力もなく。
………俺はそのまま、意識を失った。
＊＊＊＊
横峯side
患者をヘリにのせ、換気をしていた時だった。
何だか、急に気持ち悪くなって、お腹の底から何かがこみ上げてくるくるような………、そんな感覚に襲われた。
藍沢「……なんだ、また酔ったのか」
そう言われて、否定したけれど。
気持ち悪さは拭えなくて。
………どうしよう
そんなことを思っていたら、患者が呻いて。
藍沢「……嘔吐する。横向けろ」
そう言われ、手伝う。
また、帰ったら怒られちゃうなぁ、
なんて、思っていた時だった。
藍沢「……ﾊｱｯﾊｱｯｯ､………」
隣から、荒い息が聞こえたかと思えば、藍沢先生が
こちらへ倒れ込んできた。
「…藍沢先生……！！！」
その名を呼ぶが、返答はなく。
吐瀉物が、フライトスーツの裾から靴にかけて
にかかっていた。
急いで操縦士の早川さんに連絡することにした。
「あ、の、早川さん、ヘリが汚染されてるみたいでっ、換気させてください」
『……了解しました、っ』
そう言われて子窓を開けてから、翔北に連絡する。
「……っ、こちら翔北ドクターヘリ。機内で患者が嘔吐し、吐瀉物を浴びた藍沢先生が意識を失いました。」
『分かった。…除染準備して待ってる。……酸素投与してて』
そう言われ、直ぐに酸素マスクをつけた。
＿＿＿＿どうしたらいいの………
今は、その気持ちでいっぱいだった…
3→←ars113rinikanokさんリクエスト シアン中毒
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雷 - ヒロアカの相澤先生とコードブルーの藍沢先生をコラボしてほしい (2021年2月10日 1時) (
レス) id: 98e42ae13b (このIDを非表示/違反報告)
原 しおり - アナ雪と藍沢せんせーのやつ！！ (2020年1月4日 18時) (レス) id: d467e69a73 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - ありささん» コメントありがとうございます！！！楽しんで頂けているのなら、光栄です！！テストなどで更新頻度が減ることもあると思いますが……。こんな作者ですが、これからもよろしくおねがいします、！！ (2019年7月17日 23時) (レス) id: 84f0d9b71f (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - 毎回楽しく読ませてもらってます！！更新速度も早いのですごく楽しみです！これからも頑張ってください！応援してますっ！！！ (2019年7月17日 23時) (レス) id: d90df726ae (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - めいさん» そんなこと言って頂けてとても嬉しいです！！応援ありがとうございます！頑張ります、！ (2019年7月17日 13時) (レス) id: 84f0d9b71f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：自鳴琴 | 作成日時：2019年4月4日 0時
