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…………俺さえ、いなければ…
優秀な研究者だった母は、研究を辞めずに済んだ。
もう二度と、子どもを産めない身体になんてならなかった。
…………精神的に追い詰めることにもならなかった。
…………今頃、幸せに暮らせてたかもしれない。
まだ、大好きだった研究を続けられてたかもしれない。
父さんだって、母さんと別れて1人で暮らすことなんてなかったかもしれない。
ばあちゃんだって、お金のない中で俺を育てることにもならなかった。
……無理させずに済んだのに。
……………全部、
________全部、自分が生まれたから………
俺は…………、
家族みんなの人生を、狂わせた_________
*******
「ッ、…ハアッハアッ……」
息苦しくなって、目を覚ました。
着ていたスクラブは、汗でびっちょりぬれていた。
……けれど、そんなこと気にならなかった。
___ただただ、震える体と、荒い呼吸を整えるのに必死だった。
*******
白石side
カンファレンスも無事に終えたけれど、藍沢先生が起きてくる様子もなく。
緋山「あれ?藍沢は?」
「……今朝顔色悪かったから休ませたんだけど……起きてこないのよ。もう2時間にはなるわ。」
藤川「藍沢が病院で寝てるなんて珍しいな、」
近くで聞いていたのか、口を挟んでくる藤川先生。
「…………私、ちょっと見てくる。緋山先生、少しの間よろしくね」
緋山「はいはーい」
そんな緋山先生の返事を後ろで聞きながら、
仮眠室へと向かった。
まだ寝ていたら申し訳ないと思って、そっ…とドアを開けた。
その直後、聞こえてきたのは
荒く、苦しそうな呼吸だった。
急いでその音が聞こえる方へ走れば、
ベッドから落ち、床で苦しそうに呼吸する
藍沢先生がいた。
藍沢「……フッ、ゲホゲホゲホッ、ハアッハアッ、」
「藍沢先生、!!!……落ち着いて、ゆっくり呼吸して!!」
藍沢「…ハッ、ゲホゲホゲホッ、……ごめっ、な……さ、」
荒い呼吸の中で、"ごめんなさい" と謝った藍沢先生。
パニックに陥っているのか、話しかけても全く反応はなく、呼吸は酷くなるばかりで。
院内スマホを手に取り、1番上にあった連絡先に
かける。
「…………冴島さん?……仮眠室に酸素マスク持ってきて!!藍沢先生が過呼吸起こしてるの。反応薄いわ、」
冴島『…わかりました。』
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雷 - ヒロアカの相澤先生とコードブルーの藍沢先生をコラボしてほしい (2021年2月10日 1時) (レス) id: 98e42ae13b (このIDを非表示/違反報告)
原 しおり - アナ雪と藍沢せんせーのやつ!! (2020年1月4日 18時) (レス) id: d467e69a73 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - ありささん» コメントありがとうございます!!!楽しんで頂けているのなら、光栄です!!テストなどで更新頻度が減ることもあると思いますが……。こんな作者ですが、これからもよろしくおねがいします、!! (2019年7月17日 23時) (レス) id: 84f0d9b71f (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - 毎回楽しく読ませてもらってます!!更新速度も早いのですごく楽しみです!これからも頑張ってください!応援してますっ!!! (2019年7月17日 23時) (レス) id: d90df726ae (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - めいさん» そんなこと言って頂けてとても嬉しいです!!応援ありがとうございます!頑張ります、! (2019年7月17日 13時) (レス) id: 84f0d9b71f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年4月4日 0時