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白石side
あれから、2ヶ月。
藍沢先生は、白血病が治った。
つらい時も、苦しい時も……
彼は抗がん剤治療を諦めずに、"生きること"を目標に、
もう一度、医者として働くことを目標に、頑張った。
その結果、ヘモグロビンの数値も正常に戻り、
当分は内勤ではあるものの、現場復帰も許された。
「……よかった、藍沢先生…………」
藤川「やーっと戻ってきたな、耕作ちゃん、」
冴島「藍沢先生、おかえりなさい。…それと、おめでとうございます。」
緋山「あーぁ、待ちくたびれたわ、ほんと。」
そんな言葉が飛び交う中、
藍沢先生は微笑みながら、こう言った。
藍沢「……すまなかった…ありがとう……」
緋山「……あんたが礼言うとか…明日なんか起こるんじゃ…」
「ちょっと、緋山先生!…失礼よ」
緋山「いいじゃない。……それくらい、レアなんだから。」
そうからかうように言う緋山先生。
……でも、その顔は、嬉しそうで。
涙に濡れていた。
「緋山先生、泣かないの」
そういう自分も、涙を流しているのだけれど。
緋山「………っ、うっさいわね!泣いてなんかないわよ!第一、あたしが藍沢なんかのために、涙流すわけないでしょ!」
藤川「……ったく、素直じゃねぇなぁ、緋山は」
緋山「あんたは黙ってて」
藤川「せーっかく声かけてやってんのに、それはねぇだろ!」
冴島「……ほんと、相変わらずですよね…」
はしゃぎ始めた2人を見ながら、
遠くで見つめるようにしていた藍沢先生と私に、
冴島さんが声をかけてきた。
「……そうね……」
冴島「……でも、ようやく……いつもの2人に戻った気がします」
そういう冴島さんの顔は、微笑んでいて。
「………そうね…。2人とも、あんなこと言って、すごく心配してたもの。」
人一倍、仲間想いな緋山先生と、
暗い時も、いつも皆を笑顔にしてくれる藤川先生。
………きっと、今の救命に欠かせない二人だから。
藍沢「……悪かったな…。」
「……ううん。…戻ってきてくれて、ありがとう……」
窓の外の空は、雲ひとつない………
晴天だった………………
****
私達同期でさえも、
橘先生でさえも、
西条先生や新海先生でさえも、
フェローでさえも、
………藍沢先生本人でさえも、
………まだ、起こりうる "不幸" に
気づくことは、無かった_______
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yuuftykk(プロフ) - さくらもちぱんさん» ありがとうごさいます!!楽しみにしてくれているなんて、とても嬉しいです!!頑張ります!! (2019年4月4日 14時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
さくらもちぱん - 藍沢先生がかいた手紙とかほんとうに感動しました!毎回楽しみにしています。これからもがんばってください! (2019年4月4日 14時) (レス) id: cdc2a4987c (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 愛子さん» ありがとうございます!!リクエストにお答え出来ていて良かったです!こんな作者ですが、これからもよろしくお願い致します! (2019年4月4日 9時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - リクエストした話読みました。個人的には、これまでの話の中で一番です。これからもリクエストさせていただきます。 (2019年4月4日 2時) (レス) id: 0fe946f898 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 実桃さん» そんなことを言って頂けて、とても嬉しいです!!毎回読んでくださってありがとうごさいます!頑張ります、!! (2019年4月4日 0時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年2月18日 21時