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翔北につき、ストレッチャーを降ろしてもらうと、
そこには緋山と名取が来ていた。
緋山「藤川、冴島……」
白車内でもう連絡はしてあった。
____今から来る患者は藍沢であること。
それから、俺と冴島も同乗していること。
_______自傷行為かもしれないことも……
藤川「話は、後でする。……出血量が多い。…………あと、こいつ多分なんか薬飲んでる」
緋山「!!……っ、分かった」
****
初療室
緋山「名取、手首結構深く切れてる。縫合お願い」
名取「分かりました……」
緋山が聴診しようと服を切る。
その瞬間、初療室にいた全員の動きが止まった。
緋山「……な、に…これ…………っ、」
藍沢の身体には、複数の痣があった。
それもかなり青くなっていて、見ているだけで痛そうだった。
名取「…………これ、拳の跡ですかね、」
縫合しながら、藍沢の痣を見てそう言った名取。
名取の目線の先には、確かに拳の跡の様な形の痣があった。
緋山「……これ、殴られたってこと…?」
聴診しながら言う緋山。
「…………今はなんとも言えねぇな。……個室空いてるか?」
緋山「……うん、空いてる、」
「…………じゃあ処置終わったらそこに運んで様子見よう。」
緋山「……分かった。…自発呼吸あるけど…呼吸弱い。…SpO2は?」
雪村「90です」
緋山「………挿管する。7,5チューブ。これでしばらく様子見る」
こうして、処置を終え、藍沢を個室に運んだ。
***
それから3日後、藍沢は目を覚ました。
直ぐに抜管して、安静にしているようにだけ言った。
__今、自傷行為をしたことを問いただした所で、
素直に話してくれる訳でもないだろう。
それに、今の藍沢の精神状態は、あまり良くない。
搬送したあの日、藍沢が服用していた薬は、
眠剤と鎮痛剤。
それも、通常の摂取量の倍以上だった。
「……落ち着いたら、少し話したいことがあるんだ。……夕方辺りにでも来るから、それまで休んでろ。」
そう言ったが、藍沢は反応すら示さなかった。
それどころか、今まで見たことの無いくらい、
___藍沢の眼は、何も映していないようで……
______虚ろで、藍沢じゃないみたいだった。
「……じゃあ、行くな。…ちゃんと休んどけよ」
それだけ言って、藍沢の病室を出た。
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yuuftykk(プロフ) - さくらもちぱんさん» ありがとうごさいます!!楽しみにしてくれているなんて、とても嬉しいです!!頑張ります!! (2019年4月4日 14時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
さくらもちぱん - 藍沢先生がかいた手紙とかほんとうに感動しました!毎回楽しみにしています。これからもがんばってください! (2019年4月4日 14時) (レス) id: cdc2a4987c (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 愛子さん» ありがとうございます!!リクエストにお答え出来ていて良かったです!こんな作者ですが、これからもよろしくお願い致します! (2019年4月4日 9時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - リクエストした話読みました。個人的には、これまでの話の中で一番です。これからもリクエストさせていただきます。 (2019年4月4日 2時) (レス) id: 0fe946f898 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 実桃さん» そんなことを言って頂けて、とても嬉しいです!!毎回読んでくださってありがとうごさいます!頑張ります、!! (2019年4月4日 0時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年2月18日 21時