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藤川side
今は夜の9時。
日勤だった藍沢は、珍しく定時きっかりに帰った。
久々に、男二人で飲みたいなぁ、だなんて思って、
あいつに連絡した。
数回コール音がなった後、プツッと音がして、通話中に切り替わる。
「…あ、耕作ちゃーん!あのさ、俺……」
今仕事終わったんだけど、なんて言いかけていたら、
電話の向こう側からはハァ、ハァと荒い息が聞こえてきた。
『ふじか………わ…………、ごめ、………っ』
荒い息と共に出されたその小さな声。
その直後、ドサッッと音がした。
「おい、藍沢!!」
思わず大声で呼びかけるが、反応はない。
それにまだ、携帯も繋がったまま。
冴島「………どうか、したの?大声出して。藍沢先生と電話、?珍しいわね」
俺の大声に気づいたのか、声をかけてきたはるか。
まだ返答が返ってこないことを確認してから、通話を切る。
「……うん、藍沢と飲みに行こうと思ってさ。誘いの電話してたんだ。………でも、様子がおかしかった。……急に、謝られた。ごめん、って。」
冴島「あなた、何かしたんじゃないでしょうね?」
そう、いつもの怖い顔で聞いてくるはるか。
「何にもしてないからな、!……なんか、倒れた音もしたし……、はるか、ごめん、俺、藍沢の家行って様子見てくる」
……ただ、心配だった。
最近、アイツ気づかれないようにしてたけど、
顔色悪かったし。
行こう、とはるかに背をむけようとした時だった。
冴島「……ねぇ、私も行っていい?」
「……ん、お、おう、別にいいけど」
冴島「……ありがとう」
こうして、2人で藍沢の家に行くことになった。
****
藍沢の家には、何度か来たことがあった。
翔北から車で10分程度の、……明らかに、高そうな15階までのマンション。
「……ここだよ、」
来賓ようの駐車場に車を停め、藍沢の部屋へと向かう。
冴島「随分とおしゃれなのね、」
「……そうなんだよ、ほんとにさ、あいつには勝てねぇよ、」
そんな雑談をしながら、エレベータに乗り、藍沢の部屋がある10階のボタンを押す。
冴島「……結構、新しいマンションなのね。」
「ん?……あぁ、最近なんか工事したらしい。」
冴島「……結構広いのね。あ、ねぇ…一応電話してみたら?」
はるかにそう言われて、藍沢に電話してみるものの、藍沢は電話に出なかった。
…………やばいかもしれない
そう思った。
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yuuftykk(プロフ) - さくらもちぱんさん» ありがとうごさいます!!楽しみにしてくれているなんて、とても嬉しいです!!頑張ります!! (2019年4月4日 14時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
さくらもちぱん - 藍沢先生がかいた手紙とかほんとうに感動しました!毎回楽しみにしています。これからもがんばってください! (2019年4月4日 14時) (レス) id: cdc2a4987c (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 愛子さん» ありがとうございます!!リクエストにお答え出来ていて良かったです!こんな作者ですが、これからもよろしくお願い致します! (2019年4月4日 9時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - リクエストした話読みました。個人的には、これまでの話の中で一番です。これからもリクエストさせていただきます。 (2019年4月4日 2時) (レス) id: 0fe946f898 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 実桃さん» そんなことを言って頂けて、とても嬉しいです!!毎回読んでくださってありがとうごさいます!頑張ります、!! (2019年4月4日 0時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年2月18日 21時