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「別にいいよ。……お前体調悪いんだし。」
藍沢「ただでさえ世話になってるんだ。寝床まで奪う訳にはいかない。」
で、ここからしばらくあーだ、こーだ、と言い合いしたが、結局俺が折れた。
でも、藍沢に何かあっても大変だから、と俺の寝室に来客用にある布団をしく、ということで藍沢も納得した。
「…そうだ、風呂入ってこいよ。」
藍沢「お前が先に……「いいからっ」
藍沢の言葉を遮って拒否なんて許さない、と目で訴える。
その雰囲気を感じ取ったのか、藍沢はしぶしぶバスルームへと向かった。
*****
藍沢が風呂に入っている間、色々と考えた。
…藍沢の家まで知られてるってことは、どんなことでも出来る、って事だ。
夜中に部屋に乗り込むことも、何かを盗むのも、容易く出来る。
今は警察が見張ってはいるが、しばらくして進展がなければ見張りもなくなる。
そうなれば、またなにか起こすかもしれない。
俺たちの家に止まってることは絶対にバレちゃいけないな……。
バレれば、藍沢の家を特定したようにこっちの家も特定されればまた同じことが起きるかもしれない。
そうなれば、藍沢をここで休ませている意味が無い。
なんて考え事をしていると、風呂場の方からガッタッ、と音がして、見に行ってみた。
「…藍沢、?」
と、風呂場の更衣場から出てきた藍沢が廊下に倒れていて。
「…藍沢!!」
急いで駆け寄り、体を起こす。
……熱い……、??
いつから熱あったんだ……?
熱なんて風呂に入ってすぐ出るものじゃない。
……もしかして、ずっとか……??
「…藍沢、大丈夫か?」
藍沢「…っ、しんかい…ごめ…、俺……」
「謝るな。……立てるか?」
そう聞くと、ゆっくり立とうとした藍沢。
でも、フラフラしててまともに立てていない。
俺は脇の下から腕を入れ、肩を組んで藍沢を寝室へと入れる。
口で息をする藍沢は苦しそうで。
今まで弱さを見てこなかったし、見てるこっちまで辛くなる。
「…藍沢、熱はかるぞ」
そう言って藍沢の脇に体温計を挟み、少しして体温計が示した体温は39,8℃。
確か、藍沢の平熱は35℃代だったはず。
普通の人からすれば40℃位の辛さ、ってとこか。
「…何で我慢してたんだよ。」
疲れていたのか、もう寝てしまっている藍沢の寝顔を見ながら呟く。
人には休めだのなんだの言うくせに。
念の為、と藤川先生に連絡して解熱剤と吐き気止めを持ってきてもらうことにした。
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yuuftykk(プロフ) - バナナ7さん» ありがとうございます!!リクエストにお応え出来ていたのなら良かったです…!!これからも頑張ります!! (2019年1月10日 19時) (レス) id: b775334b67 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ7(プロフ) - リクエストにお答えいただきありがとうございます!冗談抜きに想像していたどうりだったので嬉しかったです!これからも頑張ってください! (2019年1月8日 19時) (レス) id: 0e39ffe2b2 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 今の話を頑張ってください!無理はしないでください。応援してます! (2018年11月18日 21時) (レス) id: f876d72237 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 琥珀さん» コメント&リクエストありがとうございます!!今書いてるのが思った以上に長引かせてしまったので早く終わらせて琥珀さんのリクエストも書けるように頑張ります!! (2018年11月18日 21時) (レス) id: c79561431b (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 診察とか治療は病院嫌いなので嫌がって欲しいです。それで無理やりされて欲しいです! (2018年11月18日 18時) (レス) id: f876d72237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2018年9月21日 20時