藍沢先生…！

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藍沢side


あれから、嫌がらせはエスカレートしていって、
精神的に追い詰められていた。


夜に寝ている時はケータイはずっっと鳴るし、
頻繁にパソコンにメールが来る。


仕事用のケータイは電源はきれないから、
仕事用のケータイが鳴ると起こされてしまって
家にいても十分な睡眠はとれていない。


最近はないが、ついこないだまでは夜中にインターホンが鳴ったり。


｢…ﾊｱｯ……｣


それに今日は何だか身体もだるいし、少しばかり頭痛もする。


でも、今日はヘリ担。ヘリ担の俺が休めば救命に迷惑がかかるし、脳外科だって夜からオペがある。
執刀医は俺と新海。

新海なら俺がいなくてもやれるだろうが、それでもやっぱり迷惑はかかる。


休む訳には……いかない。


そう思い、重い体を動かして救命の医局でデスクワークをしていた。




今日は体調が優れないから、あまり飛びたくない…

そう思っていたが、今日は午前中に1回もホットラインが鳴る事はなかった。


白石｢…藍沢先生、大丈夫……？顔色悪いわよ？｣

｢………あぁ、大丈夫だ。心配しなくていい。｣

白石｢…そう……。でも連勤してたし、今日はちゃんと帰ってね？｣


｢………あぁ｣

そう返事をするも、今は家には帰りたくなかった。


……家の方がゆっくり出来ない。


白石には言っておいた方がいいのか……？

いや、白石には後で家には帰らず仮眠室で寝ると伝えよう。

そんなことを考えながらパソコンを打つ。


(…さっきから吐き気がする…………。)

やばいな、なんて思っていると、白車の受け入れ要請が来た。


白石｢…藍沢先生、頭部外傷の患者が来る。…体調悪そうだけど、行ける？｣


｢…あぁ、大丈夫だ。｣

そう言って席を立ち、初療室へと向かった。



＊＊＊


……吐き気が増してる…………。


そう自覚したのは、運ばれてきた患者のオペ真っ最中。

脳ヘルニアを起こしていて、すぐにオペがをしなければ命に関わる。
それですぐにオペを始めたものの、さっきから吐き気と頭痛で全然集中出来ない。

心なしか、少し目眩もする。

脳は繊細だ。少しでもズレれば、後遺症が残るかもしれないし、死に至るかもしれない。


(せめて今だけでも…………なんとか、もってくれ…)


となんとか自分に言い聞かせ、手を動かす。




＊＊＊


最後の縫合を終え、針と糸を置くと同時に、
猛烈な目眩と頭痛に襲われた。



｢………ｯｯ｣

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