そばにいて

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結愛

めぐに休んでこいと言われて休んだあの日、結局耕作の目は覚めなかった。



……耕作が眠ってもう3日。




事故のとき頭を強く打っていたし、
体も打っていたみたいで、翔北に搬送されて、初療室に入った途端に急変した。

機内では気づかなかった、腹腔内出血。


その後すぐオペしたけれど、出血してから時間が経ちすぎてて、かなりのダメージがあったけれど
何とか一命をとりとめた。




「……こう…さく…。……早く…起きて…っ」
1人仮眠室のベッドの上で泣いた。




あれから、家に帰ることもせずに、仕事ばっかして、時間があれば耕作のベッドに行っては話しかけた。




「……早く起きて…。起きて、話しようよ。…」


「起きて、ちゃんとプロポーズしてよね…？笑まだ、何も言ってもらってないよ……？？」




話しかけてるけれど、もちろん耕作からの返事はない。

けれど、その日あったことを話したりしないと、私の…、心がもたなかった。

耕作の前に行くと、たくさんの管に繋がれた姿を見るだけで心が誰かに掴まれたようにｽﾞｷﾘといたんで、
何か話していないと泣いてしまいそうになる。


「耕作……。みんな待ってるよ…。
緋山先生もいっつも早く起きろって、怒ってる。
藤川先生もね、寝すぎだ、って言ってた…ｯ…
冴島さんも…、寝すぎだ、起きたら、まずは帰ってくることくらい全員に知らせろって怒ってやる…って。…………早く起きなきゃ怒られちゃうよ、みんなに。……だから、早く……、起きて…………っ、」




泣いたらダメなのに、涙が止まらない。



「っ…………、こっ…さく……起きてよ…………っ、ねぇ、、！」


私はICUだということも忘れて、おおきいこえでいう。



？「……結愛。…あんたまた休んでないんでしょ。…」とうしろから声がした。

声のした方を向くと、それは美帆で。


「……だっ…て、耕作……のこと、待ってるから。起きた時、そばにいたいの。」

「それは分かってる。それに、心配なのはあたし達も同じ。…普通にしてるように見えかもしれないけど、藍沢のことばっか心配してたらこれから助けられる他の命も救えない。……だから、心配だけどその心配を打ち消すためにいつもどうり、なんの代わりも無く仕事してるの。
…あんたも仕事してる。けど、いつもに増して無理しすぎ。」

「……。」

「……大丈夫。藍沢は…絶対目覚めるから。」


そう言ってくれた美帆の目には涙が溜まっていて、でも真剣な顔だった。

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