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小学生になった俺たちは、さして重大な出来事も無く、元気に学校に通っていた。
母さんがいなくなった悲しみはもちろん強かったけれど、海人がそれを埋めるように毎日一緒にいてくれていたし、生活面では海人の両親がいろんなことを手伝ってくれた。
ただ、父親からの暴力だけが、その頃の俺の悩みだった。
生まれたときから暮らしていた一軒家が焼けて、俺と父親はすぐ近くにあるアパートで二人暮らしをしていた。
毎日夜遅くに帰って来て、その時間に俺が起きていなかったら叩き起こされ、服で見えない部分を中心に殴られる。
俺の身体には、赤黒いもの、青いもの、大きいもの、小さいもの…様々なあざが出来上がっていった。
…いくら酷いことをされても、ふと優しい父に戻って笑いかけられる瞬間があって。
“ごめんな、海斗が不自由なく暮らせるように、お父さん頑張るから、”
それが、いつまでも俺を縛りつけて離してくれない。
暴力を誰にも言えないまま、俺は小学校3年生になった。
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ついに、人にふれられるのが怖くなった。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2023年5月16日 18時