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side.Miyachika
海人と出会った頃のことは、はっきりとは覚えていない。
まだ自力で歩くこともできないような、赤ん坊のときのことだった、と思う。
ほんのりと記憶があるのは、幼稚園の運動会のこと。
大きな木の下で、レジャーシートを敷いて、そして海人のお母さんと、自分のお母さんと、それから海人と俺で、お昼ごはんを食べている。
そんな、“日常”と言っても差し障りがないような、些細な、でも心の底から楽しい時間。
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きっとこの頃の俺には、これから起きることも、…母さんが苦しんでいたことも、何ひとつ分かっていなかったんだろう。
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作者名：翡翠 | 作成日時：2023年5月16日 18時
