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海人と想いを繋いだ日から、数年が経った。
高校を卒業して、俺は専門学校に、海人は4年制の大学に、それぞれ進学した。
高校卒業と同時にひとり暮らしを始めた俺は、今までにないくらい平和な生活を送っていた。
このときまだ実家暮らしだった海人は、頻繁に俺の家に出入りして。
不安定になりがちな俺の体調と、それからメンタルのケアをしてくれていた。
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あれは、…2年生になったときのこと、だったと思う。
その日は母さんの命日で、俺はバイト終わりに母さんが眠っているお墓を訪ねた。
きっと待ち伏せされていたんだろう。
敷地内から出た瞬間に、ひどく強い力で車に引きずり込まれた。
なにが起きているのか、すぐには理解ができなかった。
でも、荒々しい運転と、そしてその運転をしている人には、見覚えがありすぎて。
自分がなにをされるのか、嫌でも想像ができてしまった。
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「い"、…っ、ゃ、」
昔のように、壁に手をつかされバックで挿入れられる。
もうすっかり見慣れてしまった、父の部屋だった。
海人とはじめて体を重ねてから2年、愛のある幸せな行為に慣れ始めていた俺にとっては、昔よりもずっと苦しい時間だった。
「っひ、…ぅ、」
ぼたぼた、俺の涙が床に落ちて音を立てる。
久しぶりに感じる恐怖で、足ががたがたと震えた。
「ゃ、だ…っ、」
あ。
思わずこぼれた自分の声に、頭が真っ白になった。
「黙れ」
「うっ、」
どす、
鈍い音がして、お腹に痛みが走る。
痛くて、怖くて、情けなくて、…体の震えと涙が止まらなかった。
ぐちゃぐちゃになって、意識を飛ばす直前、大好きな声が聞こえた気がした。
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作者名：翡翠 | 作成日時：2023年5月16日 18時
