106.お花畑 ページ9
「わぁぁっ！」
「お花畑だぁっ」
「すごーい！」
そこは辺り一面に花が咲いていた。とても幻想的な光景に、みんなは大はしゃぎ。
中央には今まで張り巡らされていた根が集まり、まるで大きな木のよう。それが天井まで伸びていた。
「キレイ！光ってる」
「イイにおい」
アリシアとジェミマは、花畑に夢中だ。まるで宝石のように輝く花は、みんなの関心を一気に集めていた。
なるほど。さっきからずっと漂っていた匂いの正体はこれか。確かにいい匂いだとは思うけど、これだけ多いとキツイ。光もチカチカする。
「ここで行き止まりか」
大木にドンは手を置き、強度を確かめる。
「なぁ！ここからなら登れそうだ！！試しにちょっと登ってみる！」
ドンの提案にエマは「頼んだ！！」と返す。
登れる場所が見つかり、ギルダは安心したように笑顔になる。
ドンはランプをナットに、荷物をラニオンとトーマに渡すと、登り始めようとする。
「……ん？」
ふと見上げたナットは、
「うわぁああっ！！」
「どうした！？ナット」
それに驚くエマとレイ。ナットの方に顔を向けると、ナットは手を上に指し、驚愕した表情で天井を見上げていた。
「うっ……あれ……上！！」
自然とみんなはナットの指先の方向を見上げる。ドンがランプで上を照らし、暗がりでありながら存在を強く放つ
「うっ」
思わずエマが
まるで吸血鬼に血を吸い取られたかのように干からびて、死に絶えた動物が根に絡まりぶら下がっていた。
「そういうことか……」
いち早く状況を察したレイは、
「まずいぞエマ。ここは……この木、この森は」
「ッ！！」
レイが言い終わる前に、エマは危険を察知し、駆け出した。
「アリシア！ジェミマ！逃げて！！」
「「え」」
花に夢中になっていた2人の背後には、意思があるかのように
ギュン
ズシャ
間一髪、2人に抱きつき、襲いかかる根から避けられたエマ。
起き上がり、悲鳴を上げながら根から離れるアリシアとジェミマを追いかけ、エマも根から離れる。
そんな根は、未だ襲い掛かろうと不気味にメキメキと音を鳴らしていた。
「なぁ…見ろよ！入口がない！！」
クリスティに抱きつかれたラニオンが指を刺す方向には、先程僕らが通って来た道が塞がれていた。
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ユトナ(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» ありがとうございます！夢主君の顔にはすごく力を入れているので、そう言って頂けてとても嬉しいです！ (2022年3月15日 0時) (
レス) id: 38c56725bc (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 面白いです！そして夢主お顔がよろしい！ (2022年3月15日 0時) (レス) @page17 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - 桔梗さん» ありがとうございます！ (2021年4月16日 20時) (レス) id: c75326f28d (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 楽しみです! (2021年4月16日 20時) (レス) id: 8ef62998d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - りんごりんごさん» 面白いと言って頂けてとっても嬉しいです！応援ありがとうございます！！ (2021年4月11日 7時) (レス) id: c75326f28d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユトナ | 作成日時：2021年2月24日 0時
