100.誕生日 ページ3
そう意気込むエマは周りを見回し、何か異常がないかを確認する。
(追手の気配は今の所ない…
でもいずれ来る。最初につけた
追手だけじゃない。野生の獣や、追手に限らず鬼……敵はどこから襲ってくるか…)
「ウェーーイ」
エマの背後に回ったレイは、水が入った瓶でエマの頭を小突く。
「『ウェ』？」
頭を押さえ、振り向いたエマは、頭に「？」を浮かべている。
「大丈夫、少なくともここは猛獣の縄張りじゃない」
「！」
「それっぽい足跡や爪跡、フンが見当たらない。痕跡で判る。これも鬼ごっこと同じだ。
気負いすぎ、Aもいるし、俺も見張るからお前も休め」
「……ありがとう」
先程の瓶とパンを渡し、エマの背後を見張るレイ。
エマは受け取った食料を食べる為、手を握りお祈りを始める。
「ごめんな」
「え」
「俺が最初から
「いいよ、そんなの。レイが笑って生きててくれたらそれでいい」
屈託無く笑うエマに､レイは背を向けながら
「……さっきアンナにも謝ったんだ」
『ごめん…髪…』
「したらさ、『そんなことよりお誕生日おめでとう』だとよ」
周りにいた
「俺は……あいつらを見殺しにしようとしてきたのに、あいつらは俺を、こんな俺なんかのために。
エマ……生きるよ、俺。……生きて家族を守る。
お前と同じ、家族
今度は…今度こそは誓う。
何があっても、もう2度と切り捨てたりしない」
いつかのように片手を上げて、レイは誓う。
突然だが、レイの誕生日は2つある。
イザベラに、レイが実の子とわからないようGF農園が別の子供の誕生日と入れ替えた為、本当の誕生日と、入れ替えられた1月15日の2つあるのだ。
だがこの日、誓いを立てたレイは生まれ変わった。
改めてこの日が、レイの誕生日になったのだ。
木の葉から漏れる光が、まるで祝福しているかのようにレイを照らしている。
「だから1人で背負うな。みんなでつくろう。家族で暮らせる世界を。家族
「うん！」
嬉しそうにエマは瞳を潤ませた。
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ユトナ(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» ありがとうございます！夢主君の顔にはすごく力を入れているので、そう言って頂けてとても嬉しいです！ (2022年3月15日 0時) (
レス) id: 38c56725bc (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 面白いです！そして夢主お顔がよろしい！ (2022年3月15日 0時) (レス) @page17 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - 桔梗さん» ありがとうございます！ (2021年4月16日 20時) (レス) id: c75326f28d (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 楽しみです! (2021年4月16日 20時) (レス) id: 8ef62998d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - りんごりんごさん» 面白いと言って頂けてとっても嬉しいです！応援ありがとうございます！！ (2021年4月11日 7時) (レス) id: c75326f28d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユトナ | 作成日時：2021年2月24日 0時
