99.森での朝食 ページ2
NO SIDE
エマはコンパスを頼りに、視界を埋め尽くす樹々の中を進んでいた。
鳥達は
「でっけぇ…」
今まで見たことがない
(すげぇ……これが『外』…原生林？さっきまでとはまるで違う森だ)
今まで得た知識にない光景に、レイは少し戸惑っていた。
(でかい。絵や写真で見るよりもずっと)
その根っこは、皆が登らないと通れない程大きく、
(何だ？ハウスの本じゃ見たこともない。
地形や気候から現在地を割り出せたらと思ったが……厳しいなぁ…ここは一体……)
レイは視線の端で違和感を感じる。
(気のせいか…何か動いた気が……)
だがそこには何もなかった。
「足元気をつけて」
(逃げる速度が落ちてきた)
エマは
「がんばれ！」
「うん…っ」
(眠気、疲れ。
おまけにこの根っこだらけの地面……)
皆の体力を奪い、足取りを重くする。
「エマ」
「うん」
ドンの声かけに、エマは頷いた。
「みんな！ちょっと休もう！朝ごはんにしよう！」
その声に皆が歓声をあげた。
二股に分かれる木の下で、朝食の準備をしていく。
「一度に食べすぎちゃダメ。少しずつよ。
持って出た食料と水はなるべく長く持たせましょ」
そのギルダの言付けに「「ハーイ」」と元気よく手をあげ返事をするマルクとイベット。
先程の疲れはどこへ行ったのか、皆手際よく準備をしている。
「エマは？一緒に食べないの？」
クリスティは、少し離れた場所で見張りをしていたエマに駆け寄った。
「うん、私はここで周りを見張ってるから。安心してみんなと食べといで」
エマは目線を合わせ、クリスティの頭に手を置き、そう答える。
「はーい」
クリスティを見送り、エマはみんなが朝食を取り始めたのを、嬉しそうに眺めていた。
(外へ出て、最初の朝ご飯。ここからだ。
安心して暮らせる家、お腹いっぱい食べられるごはん。見つけて手に入れて、もう一度みんなで暮らすんだ。
1日も早くフィル達を迎えに戻る。
そのために気を抜けない、ちゃんとしないと！
私がみんなを守るんだ！！)
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ユトナ(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» ありがとうございます！夢主君の顔にはすごく力を入れているので、そう言って頂けてとても嬉しいです！ (2022年3月15日 0時) (
レス) id: 38c56725bc (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 面白いです！そして夢主お顔がよろしい！ (2022年3月15日 0時) (レス) @page17 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - 桔梗さん» ありがとうございます！ (2021年4月16日 20時) (レス) id: c75326f28d (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 楽しみです! (2021年4月16日 20時) (レス) id: 8ef62998d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - りんごりんごさん» 面白いと言って頂けてとっても嬉しいです！応援ありがとうございます！！ (2021年4月11日 7時) (レス) id: c75326f28d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユトナ | 作成日時：2021年2月24日 0時
