5.自慢の子 ページ5
「やっぱり違ぇなあの4人は」
「あのレベルが一度に4人…ハウス史上初だって」
「あ〜〜そりゃママも喜ぶわ…じまんの子」
ふとナットとギルダの会話が聞こえてきた。
ああ、あの会話か…
てか4人って僕も入ってる?
「勉強も運動も
「そうね、
中でも断トツの頭脳を持つ天才ノーマン。
その天才と唯一互角に渡り合える博識で知恵者のレイ。
抜群の運動神経と驚異的学習能力で常に他の2人に追随するエマ」
「A?」
エマに声をかけられ、ハッとして意識を戻す。
何か喋りかけられていたようだ。
エマの後は多分僕のことだったんだろうけど、喋りかけられて無視するのは悪いもんね。
「またみんなの声を聞いていたの?」
ノーマンの問いに頷く。
僕は人より耳が良いため、集中すれば50m以内のどんな音でも聞こえる。ま、デメリットは集中するあまり、喋りかけられても対応できないことだけど…
「ノーマンリベンジだ!2回戦やろうぜ!」
ドンがこちらに駆け寄って来て、そう提案した。
「次ノーマン以外全員『鬼』ってのどうよ!」
この場の全員が"せこっ…!!"と思った。
レイに関しては声に出していた。
「いいよ、捕まらないから」
そんな提案にもサラリと返すノーマン。なんて爽やかで余裕そうな笑みなんだ。
「言ったな〜後悔すんなよ!最後絶対捕まえようぜコニー!」
「うん!」
そう微笑むコニーを、エマとノーマンは名残惜しそうに見つめていた。
「コニーもいよいよ今日で最後かぁ…」
「また僕ら、先を越されちゃったね」
そんな2人の会話を聞きながら、心臓が痛くなるのを感じた。
あぁ…
この施設は12歳になるまでには、みんな里親を手配され巣立っていく。
里親が決まり、今夜旅立つコニーにみんな別れの挨拶を交わす。
ツインテールが可愛らしく揺れ、いつもの真っ白な服からキッチリとした外行きの服装に変わり、嬉しそうにみんなにお別れを言うコニーを、僕は直視していられず目を逸らした。
「大人になったらママみたいな"お母さん"になりたいんだ!」
そう笑うコニーに、握りしめた拳に尚力が入り、ジンジンと痛みが主張する。
これでもう何度目だろう…
見送りはいつも辛い。
この後…里親に引き渡され"ない"ことを、大人になれ"ない"ことを、僕は知っている。
10年間ずっと見送ってきた…
いや…ずっと、"見殺し"にしてきたんだ。
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ユトナ(プロフ) - この小説、読むのすごく楽しいです!さん» !!!!わぁー!確かにそうですね!!画像差し替えときます!教えて下さりありがとうございます!! (11月4日 8時) (レス) @page23 id: 38c56725bc (このIDを非表示/違反報告)
この小説、読むのすごく楽しいです! - 男主くんが11歳なら誕生日は2034年の4/27だと思います! (11月4日 0時) (レス) @page23 id: f9b3253e9b (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - かえるくんさん» アドバイスありがとうございます!でもプレッシャーには感じてないので安心して下さい!番外編は入れようと思ってましたがwあともう少しで更新は出来そうなので、頑張りますね! (2021年1月24日 22時) (レス) id: e3aba1b098 (このIDを非表示/違反報告)
かえるくん - もしプレッシャーに負けそうとか、ネタが思いつかないとかの時は番外編を入れるとモチベ上がりますよ!更新頑張ってください! (2021年1月24日 15時) (レス) id: 8379750216 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - ぽうんどけーきさん» お心遣いありがとうございます!必ず戻ります! (2021年1月20日 18時) (レス) id: ecfc7fa73a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユトナ | 作成日時:2021年1月5日 16時