約束のネバーランド【男主】

2.いただきます ページ2

「元気だねぇ、まだ朝ごはん前なのに」

「お前歳いくつだ？5歳？」

「３人と同じ11歳！！こんなだけど！」

この光景も朝の恒例だ。
「レイの意地悪〜」と嘆くエマを見て、ママが微笑む。

「ママまで！」

「エマ、こっち手伝って」

ママのところに行き、ママに抱きつくエマ。

「ママぁ…もっかい入ってくるところからやりなおす〜！」

エマを受け止めたママは頭を優しく撫でた。

「どうして？私は好きよ、エマのそういうところ」

「中身5歳のところ！？」

「家族みーんなをとても大切に思っているところ」

「…ありがとう」

そう言って嬉しそうに笑うエマ。



ああ…やっぱり、この朝を"知っている"。

"見た"ことがある。

始まってしまったんだと緊張感が心臓を大きく鳴らし、背中に冷たい汗が伝うのが分かった。

ずっと願いながら生きてきた。ここは前世で見たことがある、「約束のネバーランド」だとしても、鬼がいない世界だったら良いなと、僕達は食用児なんがじゃないと、ママは敵ではないと、ずっと願い続けてきた。

無駄だってことは分かってたけどさ。

僕がボーと考えに耽けていると、朝食の準備ができたようでみんなが席に座り始めた。僕も自分の席に座り、全員が席に座るのを待つ。

カランカランとママが鐘を鳴らす。
朝食の始まりを知らせる為だ。

「時間通りね」

手を握り、食前のお祈りを終えれば…

「「いただきます」」


さぁ…今日(物語)の始まりだ。

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