《3》二人のカレー ページ9
二人のカレー
第一渋谷高校に吸血鬼が侵入した事件があった日から数日たったある夜、私は長い廊下を一人寂しく歩いていた。
「はあー」
素直に今日はかなり疲れた。最近訓練もサボってて体が鈍ってたからなあ。だからか今日の訓練は体が重くて仕方がなかった。
「Aお前が溜息なんて珍しいこともあるんだな」
静かな廊下によく響く声。振り返らなくたってこの声が誰の声かなんてすぐに分かった。
「聞かれちゃった？」
そうその声の本人は一瀬グレンであって、私は彼にクスッと力なく笑い返した。そんな私に彼は心配気に言ってくる。
「随分疲れた顔をしてるんだな」
「わかるの？」
「ああ、まあな。訓練か？」
「そうそう、久しぶりに体を動かそうと思って。最近は座ってばっかだったしさ」
「大丈夫か？」
「大丈夫だよ、この通りまだ余裕あるし」
と鉛の様な重さの腕をビュンビュンと横に振り回す。
ってのは私の意地っ張りで、正直かなり疲れているんだけどね。
「お前の強がりはいつになっても直らないな」
呆れたように笑うグレンに、全て見透かされていて、流石だなあって。
「グレンはこれから部屋に帰るの？」
「お前に話があったから探していた」
「話？じゃあおいでよ私の部屋。どうせ夜ご飯も食べていないでしょ？私が腕によりをかけてグレンのだーいすきなカレーを作る！」
なんて腕を逞しく見せつけ、グレンは「んじゃ食べに行くか」と了承し私の部屋へと向かった。
部屋に着くと早速カレーの材料を冷蔵庫から取り出し早々に料理に取り掛かった。
その途中にグレンに話を投げかける。
「んで話ってのは？」
「大したことじゃないが、明日優達が俺の教室に来るからお前も来いって話だ」
「私にとっては凄い重要なんだけど！！絶対行く！」
優ちゃんが私のこと忘れたままとかぜ〜ったい嫌だしね！思い出させてやる！
「ほんと優のこと好きだなお前」
「うん！大好き！優ちゃんは私の弟みたいな感じなの！」
そうそう、「A姉ちゃん！」ってずっと私の後ろについて回って。そうだ思い出したけど優ちゃんもカレーが好物でこうやってカレーを作ったことあったよなあ。それであの時はグレンとは恋人同士だった私が優ちゃんにぞっこんでグレンが拗ねたりしてたんだよね。
今となっては本当に懐かしいなあ。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー食べ物
すし
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ミルクティー(プロフ) - この作品がとても面白くて次の小説を読みたいのですがパスワードを教えていただけますか？ (2022年6月23日 16時) (
レス) id: 1ac3cc10b0 (このIDを非表示/違反報告)
もも - すごくおもしろいです！パスワード教えて頂きたいです！ (2019年10月26日 11時) (レス) id: c8b462bc3b (このIDを非表示/違反報告)
美華(プロフ) - めっちゃ面白いです！！パスワードを教えて下さい (2019年1月1日 14時) (レス) id: 6d99a75fae (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - よかったです！パスワード教えて貰いたいです！ (2018年9月16日 17時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
Mika - この続編を見たいのですがパスワードがあって見れないのでパスワードを教えて貰ってもいいですか (2018年9月10日 21時) (レス) id: a8c7d594fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん | 作成日時：2016年1月11日 1時
