漆拾参話 ウィル・オブ・タイクーン ページ39
事務員を安全な場所へ送り届けた俺と敦は、とある建物に来ていた。
『俺、下で待ってるから』
「ん、分かった」
珍しく暗い顔をしながら敦は階段を登って行く。
『太宰は政府の
フェーヂャの指示がないと俺動けないンだけどなぁ。
「君にはやらなきゃいけない事があるから」
ふと、ハギワラの言葉を思い出した。
『…………俺に、何が出来るって云うんだ』
俺に出来るのは殺,しぐらいしかねぇっての。
『はぁー…』
深く溜息をついた所で、難しそうな顔をしながら敦が出てきた。
『お、話は終わったか』
「うん。僕はね」
『?』
「彼女がAと話したいって。ご指名だよ?」
『………行ってくる』
敦とすれ違いながら、その部屋に入る。
「矢張り一緒に来ていたか、
『……俺、童って歳じゃねンすけどね』
「おや、幼い顔をしておるから間違えたな。いくつなのだ?」
『24』
「そうか。…
『はは。お見通しって訳かぁ…』
俺はくつり、笑ってから寝台の前にある丸椅子に座った。
『イシュリーでいい。……ンで?俺に話ってなんだ』
「
『あんた。其れを聞いてどうする
「此の事は内密にする。私はただ、気になっただけじゃ」
少し考えてから、溜息をつく。
『組合_____俺
「本…?」
『ただの本じゃねぇ。世界にただ一冊のみ存在する本だ。どんな炎や異能も傷付かないとされてる。…其の本が、此処横浜に封印されてるってとある予言異能者が予知した』
「ふむ…。だが組合はなぜあの童を狙うのじゃ?」
『敦は本への"
「そうじゃったのか…。然し、其の本は一体どんな本かえ?」
『…書いた事が真実となる白紙の文学書、としか俺は聞いてねぇ』
「そうかえ」
『流石に俺たちが本で何をしようとしているかは教えられねぇが此れでいいだろ』
「あぁ」
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます! (2018年5月24日 21時) (レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか?() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し!!更新待ってます! (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います! (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 | 作成日時:2017年10月15日 22時