【太宰と二人で歩いていたら…弐】冷涙さんリクエスト ページ27
『そうか?』
「お願い、降ろして…。心臓が持たない」
『? おう』
太宰を降ろすと溜息をつかれる。
「A君、
『あン?訳の判らん事云ってないで、探偵社行くぞ』
「ついて来てくれるのかい?」
『お前、目ェ離した隙に入水とかしそうだからな』
「うふふ、面目ない」
太宰の隣に並んで、歩き始めた。
「……林檎、どうする?」
『また今度でいいよ。どうせ入水した後に首 吊りしたんだろ?一寸濡れてる』
「良く判るねぇ。当たり」
太宰は隣で、「うふふ」と笑う。
「_____イシュリー?」
声を掛けられ、びたりと止まる。
ぎぎぎ、と声のした方向に向くと変装したフェーヂャがいた。
『フェー、ヂャ』
「A君、知り合い?」
俺の隣から顔を覗かせる太宰の顔面を手で抑える。
「いだっ」
『知り合いじゃねぇよ…』
流石に今、太宰とフェーヂャが顔を合わせるのはまずい。
『えっと』
ちらりと彼を見ると目がやばかった。
「
『
フェーヂャが其の場から離れたのを確認してから、手を離す。
「誰だったの?」
『一番会わせたくない人間だよ』
にっこりと笑って、「悪いな」と謝った。
「構わないよ。さ、行こう」
『あぁ』
太宰を探偵社のビルに送り届けた後、携帯を取り出す。
『もしもし、フョードル』
「……さっきの、誰なんです」
かり、と爪を噛む音が聞こえた。
電話を掛けた矢先にこうだ。
『探偵社の太宰。こないだ食ったって云った奴』
「そうですか。……なんか、苛々するんです。貴方が僕の隣にいないのが。他の男と笑っているのを見るのが。嫌で嫌で嫌で仕方ない」
『ははっ。何、フョードル。妬いてンの?』
「嫉妬、ですか。僕が」
『おう』
「そう云われるとしっくりきますね」
『馬鹿だなぁ。俺がお前以外愛す訳ないのに』
くすくす笑っていると「うっ」と聞こえる。
「其れでも、嫉妬させた貴方にも責任があります」
『えー…』
「今度、デートしてくれたら今日の事は無かった事にしてあげますよ」
電話越しにくつりと笑うフェーヂャ。
『構わねぇけど……歩き回って平気なの』
「変装しますから」
『あ、そ。なら良いや。休みを貰ったらまた連絡するな』
「お願いします」
ぷつり、電話を切った。
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます! (2018年5月24日 21時) (レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか?() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し!!更新待ってます! (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います! (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 | 作成日時:2017年10月15日 22時