捌拾肆話 ページ50
3日程経った朝の事。
資料整理をしていると探偵社の扉が開いた。
「おっはようございまーす！」
聞きなれた声がして視線を向けると右手に巻軸体をした太宰がいた。
『太宰…？お前、無事だったのか』
「詰まらない反応だねぇ、A君。敦君は？」
「敦は組合に連れ去られた。貴様………来るのが遅すぎだ！」
太宰の後ろから現れた国木田が手帳で頭を叩く。
すっげぇ音がした。
「いった！国木田君、私病人だよ！？」
「そんな事知るか！全く…」
溜息をつきながら国木田が社内に入る。
『其の怪我どうしたんだ？政府のお偉いさんと何かあったのか？』
「うふふ、一寸ね」
「一寸、か。然し利き手が使えないとなると面倒だな。貴様用の仕事が溜まっているのに」
「え、こんな中でも仕事してるの？」
馬鹿なの？とでも云いたげな目だな。
『仕方ねぇだろ。福沢さんの命令だし』
「ま、向こうが何もしてこないなら仕方ないよね」
太宰は自分の椅子に座った。
『国木田ァ、太宰に仕事させんの？』
「いや……利き手が使えんからな。別にいいだろう」
国木田は自分の席に戻って行く。
太宰を一瞥するとにこにこと笑っているではないか。
『……お前、本当は怪我なんてしてないんじゃねぇの？』
「えー。嫌だなぁ、そんな訳ないでしょ」
うふふ、と笑う太宰に肩を竦めて画面に向き直った。
「組合はどう動くと思う？」
『なんで其の質問を俺にするんだ？』
動かす手を止めず、太宰の質問に答える。
「なんとなく、だよ」
『そうだな。俺だったら…駅で出会ったあの子の異能を使う』
「Qか。有り得そうな話だね」
『お前は何か考えてるのか？』
「全っ然」
『だろうな』
はは、と乾いた笑みしか出なかった。
『ま、一筋縄ではいかなさそうだよな』
「うふふ、同感だね」
「おい貴様等！喋ってないで手を動かせ！」
『ちゃんと働いてまーす』
「利き手が使えないので働いてませーん」
くつくつ笑いながら仕事を進める。
………ほんとに、どうなるんだろうな。
『ま、なるようになるか』
「うふふ、そうだね」
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続編【【文スト】死の家の悪魔【男主】参】
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます！ (2018年5月24日 21時) (
レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか？() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し！！更新待ってます！ (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います！ (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：曉 | 作成日時：2017年10月15日 22時
