全テノ始マリノ話、陸 ページ20
全身の気怠さと腰の痛みがある中、目が覚めた。
『ヴァージンがこんなとこなんて、笑えねぇな』
自傷気味に笑って、辺りを見渡す。
血塗れた床、血がついた壁、もう動かない
俺を食った本人は、隣で幸せそうに眠っている。
『………おい、おいフェーヂャ。起きろ』
「ん、ぅ…?」
ゆさゆさとフェーヂャの体を揺さぶると、ゆっくりと起き上がるフェーヂャ。
「お早う御座います、A」
『お早う。挨拶はいいけどさ、着替えて此処出ようぜ』
「判りました」
脱ぎ散らかした服を集めて着ていく。
『ったく……文句云っていいか?』
「どうぞ」
『なんで俺が下なんだよ!?あと、初めてがこんな所とか信じられねぇ!』
「だから謝ったじゃないですか。あと下なのは当たり前です」
『理解不能なんだけど。今度俺が上でいい?』
「絶対に駄目です」
『なんでっ!?』
服を着終わり、院を出た。
雲一つない青空を眺めながら、一つ伸びをする。
『_____で、此れからどうするんだ?』
「君の云っていた組織でも作りましょうか。其れから、"本"でも探しましょうか」
『"本"?』
「昔朔に聞いた事があるんです。"書いた事が真実になる本"」
『へぇ…。其れ見つけてどうすんだよ』
「勿論、願う事は一つ。"世界から異能力を消滅"、ですよ」
俺はフェーヂャの方を見てにやり、笑った。
『ノッた。組織名はどうすんの?』
「"死の家の鼠"なんてどうでしょう。僕等の始まりは、此の孤児院ですから」
『なんで鼠なのかは聞かねぇでやるよ』
「そうですね。じゃあ……行きましょうか」
『りょーかい』
俺達は歩き出した。
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます! (2018年5月24日 21時) (レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか?() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し!!更新待ってます! (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います! (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 | 作成日時:2017年10月15日 22時