肆拾参話 ページ46
_____誰かの話し声が聞こえて、目が覚める。
小さく欠伸をしてから上半身を起こした。
「あ……包帯、巻き直さなきゃ」
剥き出しになった腕には、数多の赤い跡。
「明日は腰痛で休もう…」
布団を着て痛む腰を抑えながら声のする方向へと向かう。
『ぅん？あー、うん』
声の主_____もといA君は服を着ながら電話をしていた。
『悪い……まだ出来てないんだ。あぁ、今日からやる』
なんの話をしているのだろう。
『ん？探偵社放っといて良いのかって？構わねぇよ。元々お前がやれって云ったのは「人虎」の監視だろ？今は探偵社で「泉鏡花」の事話してると思うよ』
敦君の監視…？
『しっかし不思議なもんだよなァ…。異能力を譲渡する事が出来るなんて』
異能力の譲渡。
『あっは、流石にお前の異能力はいらねぇわ。使い方判んねぇし。………お前がいれば、なんにもいらない。あ、でも林檎は欲しい』
電話相手は異能力者か。
『あっ、そうだフェーヂャ。探偵社の1人、食っちゃった』
にっこりと電話相手に向ける彼の笑顔を見て、顔に熱が集まった。
『名前？お前が気になるって珍しいな。……いいけどさ。_____太宰、太宰治。異能力は「人間失格」』
あ、れ……私、異能力云ったっけ。
あ、敦君の時に使ったんだ。
『能力無効化の異能だよ。異能力の中で1番厄介かもな。つか、情報くらい判っだろ』
情報くらい判るって……安吾みたいに政府の人間？
『な、もし。もし＿会えたら褒めてくれるか？』
照れたように、口籠りながら聞くA君。
『っ、あぁそうだよ。俺も……愛してる』
ふんわり、優しく微笑んだ彼。
『っ、五月蝿えな！切るぞ！』
A君は顔を真っ赤にしながら電話を切った。
……が、其の後また微笑みながら電話へ口付けを落とす。
其の光景を見て居た堪れなくなった私は寝室へ戻る。
布団へと座り、腕の赤くなった所を見つめた。
「愛してる……か」
昨日見えた彼の、首元の赤い跡を思い出し其処へ口付けを落とす。
『お、太宰。起きてたのか？』
扉を持って私を見下すA君。
「……おはよう。A君」
『結局死，ねなかったな。お前はもう1日くらい休め。俺はもう行かなくちゃ』
くつり笑いながら私の頭を撫でた。
「行くって……もうお昼なのに？」
『やらなきゃいけない事とかあるし』
「…そう」
『じゃ、行ってきます。太宰』
小さく手を振って彼は出て行った。
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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (
レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね？BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです！楽しみに待ってます(｀・ω・´)頑張ってください！ (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：曉 x他1人 | 作成日時：2017年1月9日 23時
