肆拾弐話 ページ45
賞金を掛けた人間も判り、自宅へ帰る。
シマ君は布団へA君を寝かせると消えてしまった。
「即効性の睡眠薬か…。中也も変な事するねぇ」
そんなに私が気に食わないのだろうか。
『っ……う。此処、は』
ふっと目を開けるA君。
「起きたかい？A君。……君、睡眠薬を飲まされて」
上半身を起こして頭をがしがしと掻く彼。
『あー、そうだ。くっそ、中原め…』
「何故君がポートマフィアに？」
『中々寝付けなくて散歩してたら芥川に会ってさ。其処で気絶させられて中原の部屋でお世話になってた』
きょろり、私の部屋を見渡すA君。
『空き瓶に蟹缶…。うわ、綱まである』
「うふふ、首吊り用だよ。一緒にどうだい？」
『遠慮する』
冷めた目で見られても興奮はしないよ？
『へー、色んな方法が載ってんだなぁ』
近くにあった私の本をぺらぺらと捲る彼。
「何か気になるのでも載っていたかい？」
『ぜーんぜん。全部つまらなそうな死に方』
ぱたり、本を閉じて私を見る。
『………何時もはどうやって死のうとしてんの？お前』
「勿論、最近は入水だね。あとは投身？」
『へー…』
矢っ張り興味なさそうだね…。
「もし、やれるなら……どんな方法がある？」
『んー、と』
にっこり、笑った後私を押し倒した彼。
『"腹上死"』
「ふく、じょうしって……！」
顔に熱が集まる私に、触れるだけの接吻をする。
『色んな方法知ってたから知ってるって思ってたんだけど、知らなかった？』
「なんとなく…だけど」
『いいじゃん、やってみようぜ？腹上死』
舌なめずりをしたA君を見て、ぞくりと悪寒が走った。
「っ…」
男同士、なのに。
心の中で何故か期待してる自分がいる。
『沈黙は肯定とみなすぞ』
「っ……いいよ」
『あれ、否定するかと思った』
「A君、だから」
私の言葉に彼は目を見開いた。
『ふぅん。じゃあ＿＿＿＿いただきます』
そっと口付けをされる。
何度も、何度も、何度も。
「んっ、ふっ。……んぅ」
しまいには閉じていた唇を割って入ってくる温かい何か。
舌だと気付いた時にはもう遅く、自分の舌を絡められていた。
「んんっ……む」
『ふっ、ん』
あぁ、此の儘、快楽に全て委ねてしまおうか。
目を閉じようとした時に、視界の隅に写る彼の首元。
．
．
其処へ付けられた、赤い跡が頭の中からこびり付いて離れそうにない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 358人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (
レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね？BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです！楽しみに待ってます(｀・ω・´)頑張ってください！ (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：曉 x他1人 | 作成日時：2017年1月9日 23時
